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    日産アリア(FE0、SNFE0)整備のポイントは?【売りたい車図鑑】

    冷却水は「日産純正スーパーロングライフクーラント」、ギヤオイルは「日産純正ギヤオイルNFX 75W」が指定銘柄

    • #特集

    2023/09/05

    【整備のポイント】
     従来の永久磁石式同期モーターに対し高速巡航時の効率に優れるという、新開発のAM67型電磁石タイプ(巻線界磁式)モーターを、フロント(FF車)または前後(4WD車)に搭載。

    「B9」FF車のみ最高出力が178kW(242ps)/6600-7200rpmだが、それ以外は前後とも160kW(218ps)/5950-11960rpm。最大トルクはいずれも300Nm(30.6kgm)/0-4392rpmとなっている。なお4WD車のシステム出力は、「B6 e-4ORCE」が250kW(340ps)、「B9 e-4ORCE」が290kW(394ps)。

     駆動用バッテリーはいずれもリチウムイオン式で、容量は「B6」が66kWh、「B9」が91kWh。WLTCモード一充電走行距離は「B6」FF車が470km、「B6 e-4ORCE」(4WD車)が460km、「B9」FF車が640km、「B9 e-4ORCE」(同)が560kmを確保している。

     電動パワートレインおよび駆動用バッテリーの冷却にはいずれも「日産純正スーパーロングライフクーラント」が指定銘柄として用いられている。また、市販されている水漏れ防止剤などの添加は「走行用モーターやインバーターなどが破損するおそれがあるため」不可とされている。

     エアコンの冷媒はHFC134aで容量は1050g、エアコンコンプレッサーオイルはPOE(ポリオールエステル)、蛍光剤は使用不可。7kWのPTC素子ヒーターとヒートポンプシステムは全車標準装備。

     補機バッテリーは荷室床下に搭載されているが、ジャンプスタートを行う際はブースターケーブルをフロントモータールーム内・ヒューズボックス横の+端子および、+端子から離れたステーなどに接続する。

     減速機オイルは前後とも「日産純正ギヤオイルNFX 75W」が指定銘柄として用いられており、それ以外のオイルは損傷のおそれがあるため使用不可とされている。

    日産アリアB6(FF車)のモータールーム。ジャンプスタート用の+端子は運転席側にあるヒューズボックスの横に備わる

     充給電に関しては、フロントフェンダー運転席側に普通充電ポート、同じく助手席側に急速充電ポートを装備。自宅充電は、200V専用電源・3kWと6kW普通充電器(いずれも普通充電ポートを使用)、V2H(ビークルトゥホーム)6kW充給電(急速充電ポートを使用)の3種類に対応している。ただしAC100V/1500W外部給電コンセントはオプションでも設定されていない。

     充電時間は「B6」の場合、バッテリー温度約25℃・バッテリー残量警告灯点灯から満充電まで、3kW普通充電器で約25.5時間、6kW普通充電器で約12時間。同じく80%充電まで、50kW・125A急速充電器で約65分、90kW・200A急速充電器で約45分とされている。

    日産アリアB9 e-4ORCEのパワートレインカットモデル。高電圧回路を遮断するサービスプラグは後席下中央に備わる

     ADASに関しては、ウィンドシールド上端中央の単眼カメラとフロントグリル内部のミリ波レーダー、前後各6個のソナー、リヤバンパー内側両端のサイドレーダー、前後左右の広角カメラで構成される「インテリジェントアラウンドビューモニター」を全車に標準装備。

     高速道路などで加減速・操舵を支援する「プロパイロット」(ナビリンク機能付き)、SOSコール、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、踏み間違い衝突防止アシスト、ヒルスタートアシスト、標識検知機能(進入禁止・一時停止・最高速度標識検知)、「インテリジェントFCW」(前方衝突予測警報)、「インテリジェントLI」(車線逸脱防止支援システム)、LDW(車線逸脱警報)、「インテリジェントBSI」(後側方衝突防止支援システム)、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、タイヤ空気活警報システム(輪位置表示機能付き)、「プロパイロットパーキング」(駐車支援機能)を全車に実装する。

    日産アリアB6(FF車)のフロントまわり。単眼カメラはウィンドシールド上端中央、ミリ波レーダーはフロントグリル中央、ソナーはロアバンパー中央に2個、アッパーバンパー左右に2個ずつ、サイドレーダーはバンパー左右に1個ずつ(「プロパイロット2.0」装着車のみ)装着される

     また、3D高精度地図データを用いて高速道路でのハンズオフ走行やナビ目的地設定時のルート走行・車線変更・追い越し支援などを可能にする「プロパイロット2.0」と、専用キーを用いて車外から駐車の遠隔操作を行うことができる「プロパイロットリモートパーキング」、ヘッドアップディスプレイを、カタログモデルにオプション設定、「リミテッド」各グレードに標準装備している。

    「プロパイロットリモートパーキング」の操作イメージ

     なお、「プロパイロット2.0」装着車には、フロントバンパー内側両端にもサイドレーダーが備わるほか、GPSアンテナがルーフ上に追加されるため、シャークフィンアンテナが2個になる(GPSアンテナは運転席側)。

     そのほか、リヤバンパーにキックセンサーを内蔵し、ハンズフリー操作に対応する「リモコンオートバックドア」を、全車に標準装備する。


    (文=遠藤正賢 写真=遠藤正賢、日産自動車)

    「プロパイロット2.0」装着車にはシャークフィンアンテナが2個備わる

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