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    間違いだらけの自動車修理 いしよしこれでよしwebバージョンvol,5

    量販グレードの装備確認が、グレード特定だけでは通用しなくなる日

    • #特集

    2022/11/16

    結論から言うと、特装車以外の一般的な量販グレードの車両においても、車台番号や型式でグレードの特定はできても、装備内容が確定できない車両が存在する。
     グレードの特定は、車両の装備品の仕様を決定する上で重要な作業である。バンパー形状の仕様やステアリングは本革かウレタンかなど、グレードを特定すればメーカーオプションで装着されているおおよその内容は把握ができた。
     だが、それが通用しない量販グレードの車両が存在する。あくまで、限定生産車両や特装車の話ではない。量販グレードの車両である。


    ■トヨタの「KINTO FACTORY」に注目

     トヨタは2022年1月28日より「KINTO FACTORY」を展開した。サービス内容は顧客が既に購入した車両に対し、内外装のリフレッシュや、メーカーオプションの後付けや運転支援システムのアップグレードなどを有償で行うというもの。
     対象車両はトヨタブランドのアクア・プリウス・プリウスα・アルファード・ヴェルファイアや、レクサスブランドのUX・NX・CT・ESなど(型式表記しないのは、生産年月で対象車両を区切っており、複数の世代のモデルが対応しているため)。
     内外装のリフレッシュプランでは、たとえば、ステアリングをウレタンから本革へ、シート表皮をファブリックから合成皮革へリフレッシュする際にアップグレードできるようになっている。
     運転支援システムのアップグレードではプリクラッシュセーフティシステムの昼間の歩行者検知機能追加や、ブラインドスポットモニター追加などがある。運転支援システム以外にも100Vのアクセサリーコンセント、パワースライドドアやバックドア、ハンズフリーパワーバックドアなどのメーカーオプションが追加できる。
     車両の保有期間の長期化や近年の先進安全装備の急速な発展に伴って、既販車両へのケアはカーオーナーにとって非常に嬉しいものだが、こうした車両の修理にあたる工場としては、現車を確認し、個々の装備状態をよく確認した上で部品を発注しなければならない状況になりつつある。
     1月に発表された当初、「KINTO FACTORY」の対応工場は東京都内の一部店舗に限られていたが、静岡、愛知、大阪、福岡など(2022年11月現在)他の地域にも拡大しており、こうした後付け装備の追加によって装備内容が購入当初と異なる個体が増えてくる可能性がある。ブラインドスポットモニターのようなリヤバンパーの補修判断に大きな影響を与えるものもあり、何をおいても車両現物の判断が重要になってきている。

    対象車両は、今後増えていく見込み。プリウスの場合、2009から2021年までを対象としており、VW3#系、VW5#系の2世代が対象になる。車両によって条件やサービス内容が異なる

    内装リフレッシュと同時に、ファブリックシートから革シートにアップグレードできる車両もある。低廉なグレードでも革シートに変更された個体が出てくることも今後は考慮に入れなければなるまい

    アップグレードできる装備のなかにはハンズフリーパワーバックドアや、ブラインドスポットモニターなどが後付けできる車両もある。納車後、実際に使う間にやっぱり欲しいとなっても追加できるのはカーオーナーにとって嬉しい取り組みだ。しかし、事故車修理として受け入れる場合は、装備の有無を現車で良く確認する必要が出てきた

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