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    2024年10月開始のOBD検査。そのために必要な準備とは? 実際の検査の流れはどうなる?【IAAE2022セミナーレポート05:自動車技術総合機構】

    街頭検査は公道上だけではなくカスタムカーショー会場や企業内駐車場でも実施

    • #イベント

    2022/03/25

     2022年3月9~11日の日程で東京ビッグサイトにて開催された、自動車アフターマーケット総合展示会「国際オートアフターマーケットEXPO 2022」。

     セミナープログラム「自動車検査の現状と今後の取組み~OBD検査導入に向けた取り組みについて~」には、自動車技術総合機構(以下、機構)の山崎孝章審議役が登壇。機構の業務内容およびOBD検査の概要について紹介した。

    自動車技術総合機構の山崎孝章氏

     機構では、保安基準の策定支援研究から、新型車の型式指定審査、使用過程車両の検査およびリコール技術検証検査場まで、自動車の設計から使用過程までの全過程に携わっている。

     その中で、使用過程車両の検査の一つに位置付けられる街頭検査については、幕張や大黒ふ頭などの車が集まりやすい場所で実施するほか、近年は企業のコンプライアンスの観点から、従業員の車両を検査するよう依頼される案件も増えているという。

     その一環として、不正改造防止啓発活動を2022年1月の東京オートサロンで実施。公道走行可能とされている車両においても、タイヤ・ホイールの突出や運転席ガラスへの透明度の低い着色フィルム貼付が多く見られたとの結果を示している。

    検査場での審査件数および街頭検査件数の推移

     そして、自動運転技術の進化・普及が急速に進む一方、それらに関する故障コードが自動車メーカーごとに異なり情報が整理されていないなどの問題があることから、2021年10月よりOBD検査の制度を施行。2024年10月より実際のOBD検査が実施される予定となっている。

     なお、OBD検査の導入後、検査場における継続検査では「第一ブロックでの同一性検査の前に該当車両かどうかをチェックし、該当車両の場合はOBD検査を行う」見込み。

    検査場における検査の流れ

     OBD検査では、開発中のアプリで特定DTC(保安基準不適合の原因となる故障コード)を抽出し、OBD検査用サーバーに送信、合否判定を行う。それにあたってはセキュリティ担保の観点から、事業場の認証・指定を受けたうえで、事業場ID申請などの事前準備が必要となるため、注意と協力を呼びかけていた。

    OBD検査システムの利用に必要な事前準備の概要

     その一方、2021年10月にプレテストを実施したところ、「Windowsだけではなくマルチプラットフォーム化してほしい」「万が一システム障害が発生した場合はどうするのか(メーター警告灯目視で対応することを制度上用意している)」などの課題が抽出されたという。

     今後はこれらの課題を解決しながら、2023年10月にプレ運用を行い、2024年10月より国産車、2025年10月より輸入車のOBD検査を開始する計画。「今の所作業は順調に進んでいるが、サーバーへの同時アクセス数も車の数も多く、それだけシステムを安定させなければならないため、慎重に準備を進めていきたい」と述べ、講演を終了した。


    (文・写真=遠藤正賢/図=自動車技術総合機構)

    OBD検査本格運用開始までのスケジュール表

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