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【車業界版・今日は何の日】10月9日は「トラックの日」!現場で使える顧客トークネタ

SUV荷台の「耐チッピング塗装」と、ポリウレア被膜の造形工学

  • #トピックス

2026/10/09

【車業界版・今日は何の日】10月9日は「トラックの日」!現場で使える顧客トークネタ


高まる耐チッピング塗装の需要

10月9日は「ト(10)ラック(9)」の語呂合わせから、全日本トラック協会が制定した「トラックの日」である。

物流を支える大型トラックだけでなく、近年は一般ユーザーの間でもピックアップトラックやクロスカントリーSUVの人気が沸騰している。それに伴い、過酷な使用に耐えうる「高耐久・耐チッピング(飛び石防止)塗装」への需要が増加している。



DIYスプレーはすぐ剥がれる?「2液型樹脂」が誇る絶対的強度

ユーザー自身がホームセンターで購入できる缶スプレータイプの荷台保護塗料(1液型ラッカー系など)でDIY塗装を行った場合、荷物を載せて引きずった瞬間に塗膜がベロリと剥がれてしまう失敗例が存在する。

一方、プロの鈑金塗装工場が使用する高耐久コーティング材は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる2液型のポリウレタン樹脂、あるいはさらに強度の高いポリウレア樹脂である。

これらは単に乾燥するのではなく、化学反応によって極めて強固な「架橋(網目状の分子結合)」を形成し「硬化」する。これにより、以下のような優れた耐久性を実現している。

  • 圧倒的な柔軟性: 鉄板をハンマーで叩いても割れない
  • 驚異的な耐摩耗性・耐薬品性: 鋭利な刃物で擦っても傷がつかない



プロの仕上がりを決定づける「徹底した下地処理と防錆」

この強靭な塗膜を車体に定着させるための「下地処理」こそが、プロの作業の核心である。

塗料の密着面積を最大化するため、荷台全体やバンパーの表面を、荒目のペーパーやスコッチブライトを用いて隙間なく傷だらけにする「足付け(サンディング)」を行う。少しでもツヤが残っていると、そこから塗膜が浮き上がってしまうからだ。

さらに、鉄板が露出した部分には強力な防錆力を持つ2液型エポキシプライマーを塗布し、サビの発生を根絶する強固な下地を構築する。



シュッツガンが造り出す「テクスチャー(肌)」と流体力学の妙

塗装工程では、通常の平滑な仕上がりを求めるスプレーガンではなく、塗料をあえて粗い粒状に吐出する「シュッツガン(アンダーコートガン)」を使用する。

職人は、顧客の求める「ザラザラ感の粗さ(細目・中目・粗目)」に合わせて、以下の要素を複雑に計算してコントロールしている。

  • コンプレッサーのエア圧
  • ガンのノズル口径
  • シンナーによる塗料の希釈率
  • 対象物との距離

エア圧を下げて塗料をドロップ(滴下)させれば荒々しい岩肌のようなテクスチャーになり、エア圧を上げてミストを細かくすればサンドペーパーのようなきめ細かい肌になる。

これは単なる塗装の枠を超え、化学樹脂の硬化反応と流体力学を駆使して「物理的な装甲」を造形する特殊技術なのである。