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日産自動車が2025年度決算を発表、通期純損失5,331億円も下期キャッシュフローは黒字化

経営再建計画「Re:Nissan」を推進し、2026年度の自動車事業黒字化に向けてコスト削減や生産拠点統合を推進

  • #ニュース

2026/05/18

 日産自動車は、2025年度通期および第4四半期決算を発表した。



2025年度通期財務実績

 2025年度は、関税やインフレ圧力、不安定な市場動向などにより厳しい事業環境が続く中、同社は経営再建計画Re:Nissanを実行し、事業基盤の強化と業績の改善に取り組んできた。

 2025年度通期のグローバル販売台数は315万台となり、連結売上高は12兆円、連結営業利益は580億円となった。売上高営業利益率は0.5%となり、当期純利益は-5,331億円だった。

 自動車事業のフリーキャッシュフローは、通期では-4,808億円となったが、下期は業績の改善に伴い、1,120億円の黒字となり、回復の兆しを示している。

2024年度通期

2025年度通期

増減
(対前年)

売上高

12兆6,332億円

12兆79億円

-6,253億円

営業利益

698億円

580億円

-118億円

売上高営業利益率 %

0.6%

0.5%

-0.1ポイント

経常利益

2,102億円

11億円

-2,091億円

当期純利益(注1)

-6,709億円

-5,331億円

+1,378億円

※2025年度通期の平均レートは、1USドル151円、及び1ユーロ175円を使用している。



2026年度の業績見通しについて

 2026年度も引き続き、競争の激化や為替変動、インフレ圧力、地政学的な不確実性などから、厳しいビジネス環境が続くと想定しているが、Re:Nissanの取り組みを推進し、目標に掲げた2026年度末での自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(関税影響を除く)を目指す。

2026年度連結決算予想

売上高

13兆円

営業利益

2,000億円

当期純利益(注1)

200億円

なお、上記の業績見通しを考慮し、2026年度は配当を行わない方針。



Re:Nissanの進捗状況

 Re:Nissanでは、コスト構造の改善、市場・商品戦略の再定義、パートナーシップの強化を優先事項として掲げている。進捗状況は次の通り。

  • 2026年度までに5,000億円を削減する(2024年度実績比)コスト改善の目標に向けて、2025年度は固定費で2,000億円、変動費は550億円を削減。
  • 生産能力の削減に向けて、グローバルの生産拠点を17から10に統合、削減していく。2025年度に7つの生産拠点について計画を発表。今後、各拠点の計画に基づき、生産移管等のプロセスを実行していく方針。
  • 開発においては、時間あたりの平均労務費を20%削減していく方針。2025年度はプロジェクトのスケジュールに影響を与えることなく、18%削減したとしている。
  • 一般管理費の削減は計画通りに進捗した。
  • 米国では小売販売と収益性を重視した事業運営を進めている。日本では、重点モデルの投入を通じて販売を強化している。中国では、新エネルギー車(NEV)を中心とした明確な戦略を進めている。
  • 在庫を適切に管理し、販売チャネルを見直すとともに、マーケティングの精度を高めることで、高い価値を提供し、より安定した成果を出す体制を整えている。

 Re:Nissanの最終年度となる2026年度は、こうした基盤の構築から、より強固な事業の実現へと移行していくとしている。


 CEOのイヴァン エスピノーサは、2025年度はRe:Nissanの取り組みを着実に実行し、事業基盤の強化に努めてきたとし、その成果が業績にも反映され始めていると述べた。また、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンを発表し、同社は再建に集中する段階から成長に向かう段階へと進んだとしている。2026年度は、コスト規律を徹底しながら、新型車の投入と拡販、収益性の向上に取り組み、Re:Nissanで掲げた目標を達成していく方針だ。そして、長期ビジョンの実現に向け、顧客に新たな体験価値を提供していくとしている。


イヴァン エスピノーサ社長