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【速報】アクゾノーベルとアクサルタが合併合意

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2025/11/18

(アムステルダム発 2025年11月18日)

塗料大手のオランダ・アクゾノーベル社と、米国のアクサルタ・コーティング・システムズ社は18日、全株式交換による対等合併で最終合意したと発表した。合併完了後、新会社は企業価値約250億ドル(約3兆9000億円)の世界的なコーティングリーダーとなる。

特に自動車補修塗料(リフィニッシュ)市場において、アクゾノーベル傘下の「シッケンズ」と、アクサルタ傘下の「スタンドックス」「クロマックス」といった二大巨頭のブランドが同一グループ傘下に収まり、市場シェアで圧倒的な優位性を確立する見通しだ。

自動車補修塗料も強化される

新会社は、グローバルで9万社を超える板金塗装工場と取引を持ち、自動車メーカー上位15社のうち14社とパートナーシップを持つことを強調。これにより、世界中の補修工場に対し、より広範で多様な塗料システムを提供することが可能となる。

新会社の発表によると、この合併の目的の一つは、補修市場における「ハイバリュー・イノベーション」の加速だ。両社合計で年間約4億ドルを投じる研究開発費を統合することで、環境規制の進む欧州を中心に需要が高まる水性塗料や、AIを活用した全自動調色システムといったデジタル技術の開発を急ぐとしている。

新社名と「共存戦略」が焦点に

合併は2025年下期に完了する予定で、本社をアムステルダムとフィラデルフィアに置くデュアル本社制を採用する。新会社は「新しい名称とティッカーシンボル」を採用すると発表しているが、具体的な名称は追って公表される。

新会社が、それぞれの強みを持つブランドをどのように棲み分け、販売網を再編するのかが、今後の業界再編の最大の焦点となる。

アクゾノーベルのプレスリリース
https://www.akzonobel.com/en/media/media-releases/akzonobel-and-axalta-to-combine-in-all-stock-merger-of-equals-creating-a-premier-global-coatings-company