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JAERA、定時社員総会を開催

自動車リサイクル法施行20年目の制度見直しに向けて、業界の現状と課題、対応を検討

  • #ニュース

2026/07/10

 日本自動車リサイクル機構(石井浩道代表理事、JAERA)は6月22日、アートホテル日暮里ラングウッド(東京都荒川区)で定時社員総会を開催した。

 冒頭の挨拶で石井代表理事は、自動車リサイクル法施行から20年が経過し、制度の見直しが進められる中で、電動車の普及や社長構造の複雑化、国際的な資源循環の要請、人材確保及び事業承継の課題など多くの社会変化への対応が求められる業界の現状を踏まえた上で「これらの変化や課題は、従来の延長線の考え方では乗り越えることが難しい。だからこそJAERAが業界の中心となり、行政や自動車メーカー、関連団体と連携協議しながら、次の20年を見据えた仕組み作りを主導していく必要がある」と強調。これまで以上にスピード感を持って各種対応を進める方針を示した上で、「業界全体を一つにまとめる役割をこれまで以上に明確に果たしていく」と述べ、他のリサイクル業界団体との合併や連携強化を推進する方針を示した。


JAERA・石井浩道代表理事

会員交流会~業界課題を受けて各種テーマによる講演を展開

 総会後には会員交流会が開催された。

「自動車リサイクル法施行20年目見直しにおけるJAERA提言とその後の動向」(JAERA・石井浩道代表理事)

 石井代表理事は「自動車リサイクル法施行20年目見直しにおけるJAERA提言とその後の動向」と題して、自動車リサイクル法の制度改定に向けた動向を紹介。

 業界課題を受けてJAERAが提言した内容が、6月9日に開催された「第66回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 自動車リサイクルワーキンググループ」にて示された「自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書案」にどのように反映されているか解説した。

「自動車リサイクル制度を巡る諸課題と政府の取組の方向性について」(経済産業省製造産業局自動車課自同社リサイクル室・宮越朗室長)

 続いて経済産業省製造産業局自動車課自同社リサイクル室・宮越朗室長が「自動車リサイクル制度を巡る諸課題と政府の取組の方向性について」と題して講演。

 2025年9月から、経済産業省と環境省合同の審議会において、自動車リサイクル法施行20年目の評価・検討を開始しており、2026年6月に報告書案を提示、今後パブリックコメントなどを経て、8月頃に報告書の最終公表を行う予定であることを紹介した。また、自動車リサイクル法の政策目的が、当初の「適正処理の確保」から「国内資源循環の推進」へと広がっているとして、電動化に伴う新たな課題も増加している現状を踏まえ、次の各種施策について検討・実行していく考えを示した。


【報告書案で示された自動車リサイクル制度の課題と具体的な方策】

1.自動車リサイクル制度の安定化・効率化

(1)中古車・廃車ガラ輸出の増加等における使用済み自動車減少への対応

・オートオークションの入口策(出品管理)、出口策(流札対応)の検討

・使用済自動車判別ガイドライン・中古車輸出に係る通知等の点検・見直し・再周知

・不適正な廃車ガラ輸出の厳格化(許可業者により解体された廃車であることの証明等)

・立入検査の実効性向上(不適正処理が疑われる装備変更率が高い業者の抽出等)

・リサイクル料金の輸出返還制度に関する見直しの必要性検討

(2)不適正な解体業者等の実態把握と対応の検討

・解体業許可基準(省令)の改正(知識・技能要件の追加)

(3)不法投棄・不適正保管車両及び被災車両の適正処理

・不法投棄・不適正保管車両に対する追加策検討

・特預金の使途に被災車両処理等を追加することの検討

(4)電動車の使用済車載用電池の適切な回収・再資源化の推進

・廃棄LIBの適切な処理体制構築に向けた対応策の検討(作業部会の設置)


2.国内資源循環の推進

(1)リユース可能な部品の流通促進

・リユース部品流通の実態把握や促進策の検討

(2)再生材(プラスチック等)の流通量拡大

・自動車向け再生プラスチック市場構築のための対応策の検討(再生プラスチック集約拠点等)

・資源回収インセンティブ制度の推進

(3)ASRリサイクルの高度化

・ASRの精緻選別等によるマテリアルリサイクルの推進(サーマルリサイクルとマテリアルリサイクルの組み合わせなど、総合的な資源循環の在り方の検討)

・ASRチーム(TH、ARTチーム)の在り方の検討


3.発展的・横断的要素への対応

(1)情報システムの効率的な活用

・JARS(自動車リサイクルシステム)の大改造により収集可能となったデータの有効利用

(2)CN・3Rの高度化

・GHG排出量削減に向けた取組のフォローアップ等

・ベースメタル・レアメタル等について国内資源循環強化に向けた取組検討(廃棄モーターの回収・処理等)


経済産業省製造産業局自動車課自同社リサイクル室・宮越朗室長

「ワイヤーハーネス共同出荷事業」(JAERA・阿部知和専務理事)

 阿部知和専務理事は「ワイヤーハーネス共同出荷事業」について、その背景と目的を示すとともに、回収したハーネスの流れ、関係者の主な役割などについて解説した。


ワイヤーハーネス共同出荷事業の背景と目的

【事業の背景】

・使用済自動車由来ワイヤーハーネスの約80%が海外に流出している現状

・国内での銅資源循環(Car to Carリサイクル)が充分に確立されていない

・資源価格の高騰や経済安全保障の観点から、国内循環体制の構築が急務

・被覆材の適正処理(破砕・焼却)に対する透明性確保とコンプライアンスの重要性

【事業の目的】

・自動車由来の銅を電気銅99.99%へ再資源化し、「Car to Carリサイクル」を確立する

・解体事業者が規模に依らず、透明性のある考え方で売却できる環境を整備する

・被覆材の適正処理をスキーム内で担保し、作業負荷とリスクを軽減する

・業界全体が主導となる、持続可能な資源確保モデルを構築する


講習会資料を参考にプロトリオス作成



役割分担(関係者の主な役割)

組織・関係者

主な役割・担当業務

解体事業者(回収拠点集約型)

回収、異物除去、フレコン詰め、回収拠点への運搬

回収拠点(解体事業者)

集約、各社別計量、JAERAへの集荷依頼連絡、数量報告、出荷積込

解体事業者(単独参加型)

回収、異物除去、フレコン詰め、JAERAへの集荷依頼連絡、数量報告、出荷積込

JAERA

共同出荷窓口、スキーム管理、集荷依頼受付、請求・入金管理

JX金属グループ

集荷運搬、受入(計量)、破砕、焼却、計算書発行、精錬・電解

豊通マテリアル

計算書受領、精算確認、JAERAへの一括入金



JAERA・阿部知和専務理事