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豊田自動織機、BEV向け電源ユニットを開発 世界初の制御技術で多国対応、新型bZ4Xに採用
北米の充電規格「NACS」にも対応
2025/10/16
豊田自動織機は10日、電気自動車(BEV)向けの車載電源ユニット「Electricity Supply Unit」(ESU)を開発したと発表した。独自の電流制御方式を世界で初めて適用し、日本・北米主流の単相と欧州中心の三相という、国や地域で異なる送電方式に一つの回路で対応することを可能とした。高出力化と同時に、小型・低背化による搭載性能の向上も実現しており、トヨタ自動車が同日までに販売を開始した新型「bZ4X」に早速採用された。
ESUは、充電、給電、DC-DCコンバーター(電圧変換)、電力分配の各機能を統合した、BEVの効率的な電力利用に欠かせない重要部品だ。同社はこれまで、充電器とDC-DCコンバーターを一体化したユニットを供給してきたが、今回、急速充電用のDCリレーや電力分配ユニット(PDU)、給電機能も統合し、ESU全体を手がけた。
新開発のESUは、同社独自の電流制御方式の適用により、一つの回路で単相と三相の両送電方式に対応する。これにより、電力事情の異なる世界各地の家庭用電源からの充電が可能となり、BEVのグローバルな車種展開を支援する。
高出力化も図られ、7kWから22kWまでの6種類にバリエーションを広げた。これにより、小型車から大型車まで多様な車種への搭載が可能となる。また、北米で最も普及している充電規格「NACS」にも対応する。
機能追加がありながらも、構造の最適化により従来に比べ単位出力あたりの容積を26%小型化した。これは、限られたスペースに部品を搭載する必要があるBEVにとって大きなメリットとなる。
同社は1990年代からトヨタの電動車向けにパワーエレクトロニクス部品を開発・生産しており、今後もESUを含むカーエレクトロニクス製品の提供を通じて、BEVの普及に貢献していく考えだ。