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日産の国内100万台生産と工場再編、事業再構築がもたらす競争力強化の行方
2026/09/11
9月10日、日産自動車は日本事業を再構築し国内での年間100万台生産体制を構築すると発表した。この大規模な生産再編の狙いと現場への影響はどのようになるのだろうか。
生産拠点の専門性強化と現場
日産自動車は商品ファミリー戦略を推進し、各工場の専門性に基づく生産体制を構築する。具体的な再編計画は以下の通り。
・栃木工場:先進生産拠点として、スポーツカー、電気自動車に加え、ミニバン(セレナやエルグランド)の生産を集約する。
・日産自動車九州:B、Cセグメント車のグローバル中核拠点としてノートやキックスなどを生産していく。
・日産車体九州:フレーム車(パトロールなど)と小型商用車の生産専門性を強化する。
現場の生産技術者にとって、他工場からの車種移管はラインの全面的な再構築となる。特に栃木工場へミニバンを、追浜工場から九州へのBセグメントを移管することは溶接ロボットのティーチング変更などの刷新など、工数と精度の確保が課題となるだろう。日産生産方式(NPW)に基づき各工場が培ってきた技能やノウハウを共有するとしているが、立ち上げ初期の高い品質維持には熟練技能者の暗黙知が不可欠であろう。
過去のリストラとの違いと成長戦略の方向性
同社がかつて直面した経営危機の際、1999年10月に発表された日産リバイバルプラン(NRP)では、村山工場などの国内5工場(村山工場、京都工場、久里浜工場、愛知機械辻工場、日産車体京都工場の車両・部品5工場閉鎖)を閉鎖と、グローバル規模で約2万1,000人の人員削減という痛みを伴う大規模なリストラが断行された。当時の施策が‟縮小均衡”だったのに対し、今回の再編は国内販売と輸出の拡大を見据えた‟成長投資”の側面が強い。輸出を拡大することにより特定市場への依存を抑え、為替変動リスクへの耐性を高めるアプローチは、過去の教訓を活かした事業基盤の安定化策と捉えられる。
サプライチェーン強靭化に向けた展望
日本で年間100万台規模の生産を実現し、次世代プロパイロットなど将来技術の実証拠点としての役割を担うには、部品サプライヤーを含めた供給網の再構築が急務である。各拠点の強みを生かした集約は効率化を生む半面、サプライチェーンの強靭化が真に試されるフェーズに入る。競争力の源泉を日本に置くという同社の戦略が今後どのように結実するか注視していきたい。
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