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日産、「サクラ」に太陽光発電システム搭載 年間3,000km相当の電力自給へ
2025/10/23
SAKURAは年間走行距離換算で3,000㎞分をソーラーパネルで発電する。トヨタ・プリウスPHV(60系)でもソーラーパネルをルーフに設置したモデルがあるが、そちらは年間走行距離換算で1,200㎞程度。倍以上ということになる。
日産自動車は22日、「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」(一般公開日:2025年10月31日~11月7日、東京ビッグサイト)の主催者プログラム「Tokyo Future Tour 2035」に、軽EV「日産サクラ」に車載用電動スライド式ソーラーシステム「Ao-Solar Extender (あおぞら エクステンダー)」を搭載したプロトタイプを出展すると発表した。
「Ao-Solar Extender」は、日産が開発した電動スライド式のソーラーシステムで、EV充電の手間を軽減し、年間最大約3,000km相当の走行に必要な電力を太陽光発電でまかなうことを目指す。
3年連続で国内EV販売台数No.1を誇る「日産サクラ」は、日常利用に最適な航続距離と自宅充電が可能である点が評価されている。この新システム搭載により、太陽光発電が可能となり自動でEVバッテリーに充電される。近距離利用が中心のユーザー分析から、年間約3,000km相当の発電量があれば、外部からの充電がほぼ不要となる顧客が一定数いると見込まれている。これにより、自宅充電時の手間や費用節約、ブレーカー作動、充電忘れなどのストレスが大幅に低減する。また、災害時の電源としても利用可能だ。
このシステムは、走行中は車体の屋根のメインパネルが最大約300Wを発電。停車時には収納されていた可動パネルが前方にスライド展開し、ソーラーパネルの表面積を拡張することで、発電能力は合計約500Wに達する。展開したパネルはフロントガラスへの日差しを遮断し、駐停車時の車室内の温度上昇を抑え、エアコンの消費電力抑制にもつながる。パネル格納時は、サクラのデザインと調和し、空気抵抗を抑えつつ自然な外観を実現している。
「Ao-Solar」の名称は、日本語の「青空(あおぞら)」と「ソーラー」に由来し、太陽光活用とともに、開放感や自然との調和を表現している。このコンセプトは、2021年度の日産社内アイディアコンテストで最優秀賞を受賞した構想がもととなっている。