JOURNAL 

【7月15日実施】「磨きを、競技へ」、60分間の公開技術チャレンジマッチを日本ディテーリング協会(JDA)が開催

将来的な日本国内でのディテーリング競技大会開催を見据えた試み

  • #イベント

2026/07/17

 JDA(Japan Detailing Association)の通称で活動する日本ディテーリング協会(丸山義昭会長)は7月15日、カーメイクアートプロ (大阪府堺市)にて、同会の技術向上委員会主催の「公開技術チャレンジマッチ―世界基準の技術へ挑む―」と題した7月公開例会を開催した。


勝ち負けではなく、
思考のプロセスを共有する

 同例会では、ベテランとルーキーの2人の技術者が同一車両・条件の下で研磨作業を行い、その工程や判断をリアルタイムで配信。会場実況の他、Zoomでの配信も組み合わせたハイブリッド開催となった。 
 開会時には、「今回は、単にどちらが優れているかを決めるものではない。同じ塗装や条件であっても、ディテーラーによって工程や考え方、道具の選び方は異なり、その一つひとつの判断に理由がある。技術だけでなく、なぜその選択をしたのかという思考のプロセスにも注目してほしい」と述べられた。
 会場には約50人が来場し、Zoomでの参加を含めると総勢約130人が見守るなか競技がスタート。途中にはwebの同時接続が約200人に及ぶこともあった。

丹下竜太選手(左)と嶋田加奈選手
丹下竜太選手(左)と嶋田加奈選手


競技会場風景
競技会場風景


競技ルールと配信体制

 競技ルールは、制限時間は60分、作業パネルはボンネットとフロントドア、ポリッシャーやバフ、コンパウンドなどのツールは選手自身が用意し、禁止事項は特になし。
 配信では複数のカメラを使用し、会場全体を映す定点カメラに加え、各選手に専属インタビュアー及びカメラを配置。サーモカメラによる温度測定も行われ、シングルアクションとダブルアクションのポリッシャーによる熱の入り方の違いがリアルタイムで可視化されていた。

サーモカメラによる温度測定
サーモカメラによる温度測定


ベテラン枠・丹下竜太選手はシングル2工程

 「しゃかりき」を屋号とするBest One(広島県広島市)の代表取締役を務める丹下竜太氏は、ベテラン枠として参戦。当初、シングルアクションポリッシャー&ウールバフでの1発仕上げを想定していたが、前日のマッチングテストで、テスラの塗膜がコンパウンドの特性を十分に引き出せないことが判明。塗膜の体力面も考慮し、同ポリッシャーでの2工程仕上げに変更した。
 使用コンパウンドは、ファイヤーボールのオールインワンタイプ(日本で購入できるものとは配合が異なるとのこと)。パッドにはケヰテック・ディンプリングスノウボードを採用し、毛足の薄い同社・シルキーメインで浅いバフ目を狙った。最終工程ではウレタンバフに同社・シフォンバフSを使用して仕上げ、「いい感じになったのではないか」と振り返った。

使用ツールと材料
使用ツールと材料

研磨風景
研磨風景



ルーキー枠・嶋田加奈選手はダブルアクション3工程

 AUTO DETAIL Jewel(北海道旭川市)の代表・嶋田加奈氏はルーキー枠として参戦。ダブルアクション3工程を選択。
 ポリッシャーはルペス・マークファイブ(15mmオービット)、コンパウンドはスペキュラー・iZA01~04番を使い分けた。初期~中間研磨には、クッション性のある分厚いバフ(22mm)とスリットの入ったスポンジバフなどを使用。仕上げにはベイルのバフを使用し目の細かさとバフ目の除去性能を重視。「正直、まだまだ磨き足りない。傷も残っている部分がある」と率直に振り返った。

使用ツールと材料
使用ツールと材料

研磨風景
研磨風景



色彩測定器で仕上がりを数値化

 競技中には色彩測定器を用いて仕上がりを数値で測定。ボンネットのL*値(0が黒、100が白)は作業前が2.29〜2.38であった。なお、磨いてツヤが出ることで色が濃くなり数値が下がる仕組みである。
 丹下氏の測定値は1.67、嶋田氏の測定値は1.79となり、シングルアクションとダブルアクションの機械運動の違いが数値にも表れる結果となった。



閉会挨拶に立つ丸山義昭会長
閉会挨拶に立つ丸山義昭会長


 日本ディテーリング協会では、次回は8月にAIをテーマとした例会を予定している。