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マツダと矢崎総業、ワイヤーハーネス生産の「近場化・自動化」を実現 新型「MAZDA CX-5」に初採用

開発初期からの共創によりワイヤーハーネスの種類数を先代比で約80%削減

  • #ニュース

2026/10/21

 マツダと矢崎総業は、強靭なサプライチェーン構築と持続可能なものづくりの実現に向け、2022年初旬よりワイヤーハーネス生産の近場化と自動化を目指した共創活動を進めている。完成車メーカーと部品メーカーという従来の枠を超え、開発初期段階から両社の知見や技術を持ち寄って取り組んだ成果の第1弾として、新たな生産方法によるワイヤーハーネスを新型「MAZDA CX-5」に初めて搭載した。


矢崎総業関連会社のワイヤーハーネス生産自動化ライン(山口県美祢市)

ワイヤーハーネス生産の課題と「近場化・自動化」への取り組み

 ワイヤーハーネスは、車載機器に電力や情報を伝える重要部品である。車両ごとに異なる仕様に対応するため、多数の電線や端子を組み合わせる必要があり、多くの工程を人の手で行っている。また、部品種類の増加に伴う在庫管理や生産・物流の複雑化に加え、環境変化への対応も求められていた。


 そこで両社は、車両生産工場の近傍で完成品を生産する「近場化」と、その実現に必要な「自動化」に取り組んだ。近場化は、安定供給や生産・物流の効率向上、環境負荷低減につながる一方で、競争力のあるものづくりを実現することが課題となる。しかし、ワイヤーハーネスは人の手による繊細で複雑な工程が多く、設備導入やロボット化だけでは自動化が困難であった。


設計・工程の一体見直しで種類数を約80%削減

 この課題に対し、両社は車両の開発初期段階から連携し、自動化を前提にワイヤーハーネスの種類数や仕様、構造、製造工程を一体で見直した。製品設計と生産工程を同時に見直すことで生産の高度化と効率化を進め、国内で競争力のある生産を可能にしている。また、こうした取り組みを含め、車両全体で最適化した結果、新型「MAZDA CX-5」のワイヤーハーネスの種類数を先代CX-5比で約80%削減した。


 その結果、矢崎総業が調達した構成部材を同社関連会社の工場(山口県美祢市)で完成品にし、マツダの広島県および山口県の工場へ納入する生産・供給体制を構築した。需要変動や外部環境の変化にも国内生産で柔軟に対応できる体制を整え、サプライチェーン全体の効率化と強靭化を進めている。さらに、人材・技能の継承を図りながら地域のものづくり基盤を持続的に発展させることも目指している。


 両社は今後も、この共創活動で得られた知見を新型車のワイヤーハーネスにも展開していく予定だ。安定供給、生産・物流の効率向上、環境負荷の低減を通じて、競争力の高いサプライチェーンと持続可能なものづくりの実現に向け、引き続き取り組みを進めていくとしている。


両社幹部によるコメント

 マツダ経営役員 CSCOの鷲見和彦氏は、今回の取り組みについて「2030経営方針で掲げるサプライチェーン構造変革と『マツダものづくり革新2.0』を具現化するもの」と説明している。取引先との「平時の共創」を通じて専門性とものづくり力を融合し、種類数削減、近場化、自動化に取り組むことで原価低減力と環境変化への対応力を高め、競争力あるものづくりを実現するとしている。今回の成果を新型「MAZDA CX-5」への採用にとどめず、地域のものづくり基盤の維持・発展や次世代への技術・技能継承につなげ、今後もパートナーと共に新たな顧客価値を創出していく方針を示した。


 矢崎総業専務取締役の露木邦夫氏は、「顧客により高い価値を届けるという共通の目的があれば、完成車メーカーとサプライヤーは企業の枠を超えて知恵と技術を結集し、新たな競争力を創り出せることを改めて実感した」とコメント。特に自動化への取り組みは単なる省人化やコスト削減ではなく、品質の安定化、生産性向上、技能継承、持続可能なものづくりにつながる重要な取り組みであると捉えており、今後もマツダとの共創を通じて生産革新と安定供給を進め、安心・安全で高品質な製品を届けていくとした。