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トヨタと住友鉱山、全固体電池の正極材量産に向け共同開発契約
次世代BEV向け、耐久性に優れた新素材を開発。27~28年実用化に挑戦
2025/10/16
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市)と住友金属鉱山株式会社(本社:東京都港区)は、このほど、バッテリーEV(BEV)に搭載する全固体電池の正極材量産に向けて共同開発契約を結んだ 。今後、両社は協業での開発をさらに進めていく 。
全固体電池は、正極・負極・固体電解質を主な構成素材とする、次世代の電池である 。現在主流の電解液を使用した液系電池と比べ、小型化・高出力・長寿命のポテンシャルを持つ 。BEVに搭載した場合、航続距離の拡大や充電時間の短縮、高出力化などの性能向上が見込まれており 、トヨタは2027年~2028年の実用化を目指している 。
両社は、全固体電池用の正極材について2021年頃から共同研究を進めてきた 。研究テーマの一つとして、充放電を繰り返す中での正極材の劣化への課題に取り組んできた 。その解決策として、住友金属鉱山が持つ独自の粉体合成技術を活用し、全固体電池に合った「耐久性に優れた正極材」を両社で新たに開発した 。住友金属鉱山は、これまで20年以上にわたり多くの電動車に正極材を提供してきた知見を活かし、新開発した正極材の供給や、その後の量産化を目指す 。
今後も両社は、全固体電池用の正極材量産に向けた性能や品質、安全性の向上、コスト低減など、多岐にわたる領域で開発を進める 。世界初のBEVでの全固体電池の実用化に挑戦し、この技術を通じてクルマの未来を変えるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている 。