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出光興産、MIT発スタートアップ「ATOM-X」に出資 常温・常圧でのe-メタノール直接合成技術で共同検討開始
従来の高温・高圧プロセスを短縮し、設備コストや製造時のエネルギー低減を目指す
2026/05/27
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明)は、出光CVCを通じて、常温・常圧下で水とCO₂から直接電解合成しe-メタノールを製造する技術を有するMIT(マサチューセッツ工科大学)発のスタートアップ、ATOM-X(本社:米国、Co-founder/CEO:Davide Menga)に出資し、e-メタノール分野における事業連携に向けた共同検討を開始した 。本共同検討を通じて、同技術の実装とコスト競争力のあるe-メタノールの供給を目指す方針だ。
次世代エネルギーとしてのe-メタノール
e-メタノールは、再生可能エネルギーによって得られた電力を用いて水を電気分解し生成されたグリーン水素と、大気中などから回収したCO₂を合成して得られる合成燃料の一種である。船舶燃料として使用できるほか、ジェット燃料やガソリン、化学原料を製造することが可能で、多くのセクターの脱炭素化に寄与する次世代エネルギーとして期待されている。出光興産は、このような特長と汎用性をもつe-メタノールを戦略的に重要な製品と位置付け、社会実装に取り組んでいる。
常温・常圧で直接合成する独自技術
現在、e-メタノールの製造は、水電解により水素を製造し、その水素とCO₂から合成する方法が主流となっている。また、これらの工程は高温・高圧下の反応が求められ、複数の工程が必要である。これに対し、出光興産が出資したATOM-Xは、独自の触媒により、常温・常圧という温和な条件下で水とCO₂から直接電解合成しe-メタノールを製造する技術を有している。この技術は、従来のe-メタノール製造プロセスと比較して工程が短縮され、簡素で環境負荷の低いプロセスであるため、設備コストや製造時のエネルギーおよびコストの低減が期待されている。
今後の展開と両社の概要
同技術は、現在は研究開発段階にあり、将来的なスケールアップと実用化に向けた検証や評価、改善が進められている。出光興産は、e-メタノール製造におけるコスト競争力および実用性の向上に大きく寄与する技術を持つATOM-Xと、事業連携の可能性について共同検討を行い、e-メタノールの社会実装に向けた取り組みを加速させる構えだ。同社は今後もさまざまなスタートアップ企業との連携を強化し、革新的な技術やアイデアを取り込みながら、新たな価値創出と社会課題の解決に取り組むとしている。
関係組織および企業の概要は以下の通り。
- 出光CVC(Idemitsu Corporate Venture Capital):カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献するため、「低炭素エネルギー」や「先進マテリアル」分野の「革新的な新技術」に戦略的な投資を行う組織。
- ATOM-X:CO₂を持続可能なe-メタノールに転換することに取り組む、MIT発のクライメートテック企業。高度な電気化学技術の開発を通じて、化石由来メタノールに代わる、よりクリーンでコスト競争力の高いグリーンメタノールの製造を目指している。
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