JOURNAL 

高速道路の逆走車を止める最終兵器? NEXCO中日本が新たに発表した逆走対策とは

逆走車に“強烈な物理衝撃”を与えるトラップが登場!

  • #コラム
  • #一般向け

2026/10/27

逆走車を物理で止めて、大事故を防ぐ

NEXCO中日本は2026年10月22日、深刻化する高速道路での逆走事故を防ぐため、東海北陸自動車道の郡上八幡ICと美並ICの2つのインターチェンジに新たな物理的対策を導入すると発表した。管内初の試みとして、車両に直接的な物理的衝撃を与えてドライバーに異常を知らせる装置が設置される。


物理的対策の設置予定場所(出典:NEXCO中日本)


郡上八幡ICでは、11月中旬から「路面埋込型ブレード」が導入される。この装置は金属製の受枠と蓋から黄色い突起物(ブレード)が露出する構造になっている。

郡上八幡ICに導入される路面埋込型ブレード(出典:NEXCO中日本)


正しい進行方向(順走)から通過すれば、タイヤがブレードの倒れに沿って進むためスムーズに回転して沈み込み、走行に支障はない。

しかし、逆走方向から進入した場合はブレードの倒れに逆らう方向となるため、タイヤが一瞬ブレードに乗り上げる形となり、車体に大きな衝撃を与える仕組みだ。

すでに中国自動車道の東城IC管理用道路で試験設置が行われており、実効性が検証されている。海外にはタイヤをパンクさせて強制停止させる過激なスパイクも存在するが、今回はあくまで「ドライバーに強い衝撃を与えて注意喚起する」ことを目的としている。


正しく走行している際は、ブレード回転するため大きな衝撃は起こらない。(出典:NEXCO中日本)




一方で逆走をしてしまった際はブレードに乗り上げる形になり、ドライバーに大きな衝撃を与え、逆走であることを知らせる。(出典:NEXCO中日本)


美並ICでは12月上旬より「ウェッジハンプ」が設置される。路面に設けられた片勾配のこぶ(ハンプ)であり、順走時にはスムーズに通過できるが、逆走方向から進入すると激しい振動と衝撃を発生させる技術である。

両ICが選ばれた背景には、構造上の明確な弱点がある。郡上八幡ICの料金所付近にはランプの平面交差部が存在しており、本来進行すべき方向とは反対へ誤って左折してしまう事案が想定されている。

NEXCO中日本はこれまでもカラー舗装や注意喚起看板、視覚的に進入を防ぐプレッシャーウォールなどを設置してきたが、それでも逆走車は後を絶たないことから、その誤進入ポイントへ物理的なブレードを直接埋め込むことで対策を強化する。


逆走は重大な正面衝突事故に直結する社会問題である。2025年11月には、NEXCO3社と阪神高速、本四高速の5社が全国188箇所での逆走対策実施計画を発表した。

今後も全国の危険箇所において、視覚的な警告だけでなく、今回のような物理的にドライバーに気付きを与える実効性の高い装置の配備が順次進められていく見込みである。