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スタンレー電気、粒状発光リアランプを開発 視認性2秒向上、追突事故防止に貢献へ
2025/11/20
部品削減で環境負荷も低減
スタンレー電気(東京都目黒区、貝住泰昭社長)は18日、後続車からの視認性を大幅に高めた「粒状面発光リアランプ」を開発し、その安全性向上効果を実証したと発表した。同社従来品と比較し、後続ドライバーが前方車両の動きを認知する時間を約2秒早めることができ、夜間の追突事故防止に大きく貢献すると期待される。部品点数の削減による環境負荷の低減とコストダウンも両立した次世代型リアランプである。
「煌めき」で注意喚起
夜間の交通事故防止において、後方車両や周囲からの自車両の見えやすさは極めて重要だ。今回開発された粒状面発光リアランプは、高い視認性、優れたデザイン性、環境への配慮を兼ね備える。
本ランプは、従来数十個のLEDを並べていた構造を革新し、交換可能な高光束LEDソケット1つに集約した。その光を独自設計の導光レンズ(ライトガイド)で均一に拡散させる面発光技術を採用。さらに、特殊な光学カットを施したインナーレンズを2枚用いることで、発光時に美しい粒状の煌めきを演出する。
この光学設計により、ドライバーのわずかな視線の動きに合わせて輝点(小さい光の点)が移動し、気づきやすさを高める構造となっている。
追突事故リスクを低減
同社が行った視認性検証の結果、粒状面発光リアランプを装着した先行車両に対し、後続ドライバーによる前方車両の動きの認知は、通常の均一面発光ランプに比べ約2秒早まることを確認。これにより、追突事故の原因となる急ブレーキ操作を減らすことができ、事故発生リスクの低減につながるとしている。
また、本ランプは部品点数の削減により低コスト化と環境負荷の低減を両立したサステナブルな製品でもある。導光技術の進化により、ランプの均一発光可能な高さが従来の10㎜から最大30㎜まで拡大。二輪車から四輪車まで、細さや高さなどさまざまな形状・デザインのランプへの対応が可能となった。
本ランプは既に量産車向けに採用されているが、同社は今後もさらなる安全性向上を目指した開発を進め、完成車メーカーへの提案を強化する方針だ。自動車のインテリア照明など、他の車載用途への展開も計画している。