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本田技術研究所と大成建設グループ、EV向け走行中無線給電の基盤技術を開発
2027年度以降に館山自動車道での公道実証実験へ参画予定
2026/10/13
本田技術研究所は大成建設および大成ロテックと共同で、走行中のEV(電気自動車)に非接触で給電が可能な「磁界結合方式無線給電道路システム」の基盤技術を開発した。2027年度以降に高速道路での実証実験を実施する予定だ。
本システムは、ホンダが独自開発した高出力密度で直流配電に対応する受給電ユニットと、大成建設による高応答な直流電源システム、大成ロテックの埋設施工技術を組み合わせている。乗用車から大型商用車まで幅広いモビリティへの適用を見据え、大電力の給電技術と優れた埋設施工性を実現した。
ホンダは2050年のカーボンニュートラル実現と「自由な移動の喜び」の提供に向け、充電ネットワークサービス「Honda Charge」を開始するなどインフラ拡充やEV使用環境の利便性向上に注力している。一方、将来に向けては、走行中の車両に非接触で電力を供給する「走行中無線給電(DWPT)」技術の開発に2021年より取り組んできた。同技術は自宅や充電スポットでの充電頻度を減らすなど利便性向上に貢献するとして、効果が高いと想定される物流・輸送分野での実用化を目指している。2025年からは大成建設、大成ロテックとともに同システムの研究開発に取り組み、今回の基盤技術開発に至った。
共同研究の概要と3社の役割分担
3社は社会実装に向けた共同研究の一環として、大成建設グループ次世代技術研究所/幸手「T-FIELD/SATTE」の実験道路にて実験・検証を実施した。大型商用車での公道実証実験を想定した無線給電システム、道路舗装構造、施工・更新手法などの技術検証を行い、有効性を確認している。
同システムは、地上の直流電源システムと道路に埋設した複数のGAユニット(給電ユニット)を直流方式で接続する直流配電型GAシステム、ならびに車両側のVAユニット(受電ユニット)で構成される。各社の役割分担は以下の通りだ。
- 大成建設:直流電源システムの開発
- 本田技術研究所:道路に埋設して車両側に送電を行う直流配電型GAシステム、車両側で受電を行うVAユニットを搭載した車両システムの開発
- 大成ロテック:無線給電道路の施工方法の開発
- 3社共同:GAシステムを埋設した無線給電道路の舗装構造の開発および耐久性試験の実施、無線給電道路および関連設備の更新手法の開発、直流配電実験および無線給電実験の実施
共同研究における3社の役割分担
無線給電道路システムにおける基盤技術の特長
社会実装に向けては「大型商用車の荷重に耐えるGAユニットの強度と舗装構造」および「高速走行するEVへの大電力給電が可能で道路への施工性にも優れた給電システム」の構築が不可欠となる。3社は「TーFIELD/SATTE」にて主要課題の検証を行い、以下の特長を持つ基盤技術を開発した。
- 大型商用車の荷重に耐えるGAユニット・舗装構造:内部構造の最適化により、車両総重量20トンクラスの大型車の走行に耐える十分な強度・耐久性を確保し、荷重が大きい大型商用車による長期間の走行に対応可能とした。
- 高効率・安定給電を実現する直流配電構造:ユニット内のインバータとコイルを走行中無線給電ユニットとして世界で初めて一体化し、直流配電による給電を実現した。地上の直流電源システムと組み合わせることで、高応答かつ安定的な大電力給電を可能にしている。
- 施工性・更新性を考慮した実用的な道路・機器構造:既存舗装への適用を想定し、切削・埋設施工に対応した構造を採用した。直流配電構造の採用により構成部品点数と施工作業量を低減し、埋設施工性の向上と将来の舗装更新工事を見据えた構造としている。
共同研究におけるホンダの技術
今後の展開と公道実証実験への参画
今後は、2026年末より大成建設グループ次世代技術実証センター/田村「T-FIELD/TAMURA」に試験走行路を構築する計画だ。実車を用いた100万輪(49kN換算輪数)の載荷走行試験による長期耐久性の評価、走行中給電性能の実験、漏えい電磁界対策などを進め、給電性能と安全性の両立を目指す。その後、最大150kWの高出力での性能検証や高速走行時の信頼性検証など、実社会での運用を見据えた技術開発を推進する方針である。
また、3社は2027年度以降に東日本高速道路が実施する館山自動車道(千葉県)での走行中無線給電技術の実証実験「館山プロジェクト」への参画を予定している。
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