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マツダ、塗膜耐食性評価サービスで事業性検証

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2025/10/17

独自技術で社会課題解決に貢献へ

マツダ株式会社(マツダ)は、自動車製造で培った独自技術を活用した「塗膜耐食性評価サービス」の事業化に向け、本格的な事業性検証を実施する 。塗装の技術・材料開発における環境負荷低減や、社会インフラの効率的な維持管理・長寿命化を通じた社会課題解決への貢献を目指す 。

短時間で定量的評価が可能な測定器を開発

従来の塗装部品の防錆性能測定は、専用試験機内で数カ月かけて錆を発生させ、目視で劣化状況を評価する方法が一般的だった 。これに対しマツダは、2017年に業界で初めて、短時間かつその場で防錆性能を評価できる評価法を実用化 。

開発した測定器(サイズ:350×260×100mm)は持ち運び可能で、塗膜の耐食性を「数分〜数十分間」で「定量的」に評価できる 。これにより、従来の課題であった試験期間の長さ、目視による基準のばらつき、実環境下での測定の難しさを解決できるとしている 。

他業界への展開で社会課題解決に貢献

本技術をサービスとして他業界に展開することで、社会課題解決に貢献する 。

  • 塗料・塗装部品開発においては、塗料の試作や再試験回数を削減し、原材料やエネルギーの使用量を減らすことが確認されている 。

  • 橋梁や鉄塔などの社会インフラ分野では、塗膜の状態を確認の上、適切なタイミングでの保全を実施できるようになることが期待され、これにより、劣化状態不明のまま一定期間で保全を実施する従来の手法を改善できる 。


今後の事業化計画

現在マツダは、協力企業から提供されたサンプルを独自の診断技術で評価し、結果を報告書として納品する「受託型サービス」の事業性検証を行っている 。

今後の計画として、2026年には受託型評価サービスとして事業化を目指す 。さらに将来的には、測定器で測定したデータをクラウドに自動転送し、クラウド上のソフトウェアで分析結果をPCなどのデバイスに提供する「SaaS型サービス」の提供も目指す 。

マツダは、自動車の開発・製造で培った独自技術を活かし、自動車産業の垣根を超えて、企業や自治体が抱える社会課題の解決に貢献していくとしている 。