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シネマエンドレス「サンキュー、チャック」
その世界が終わりを迎える時、人は何を思うのか……スティーヴン・キングが仕掛ける、 衝撃と感動のヒューマン・ミステリー
2026/04/30
スティーヴン・キングが仕掛ける、衝撃と感動のヒューマン・ミステリー
カリフォルニアで大地震が発生、フランスは津波に襲われ、メキシコでは森林火災が都市まで広がり、トスカーナでは街が水没──次々と起こる災害にすべてを破壊され、ついに世界は終わろうとしていた。
ネットやSNSがつながらなくなる中、街頭看板やラジオ放送に突如現れたのは、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という不可思議な広告。
だが、カメラに向かって微笑む中年男性のチャックが何者なのか誰も知らない。はたして、世界は本当に終わるのか。チャールズ・クランツとは何者なのか。
世界の終わりが近づく中場面はチャックの視点へと変わり、彼の39年の人生を遡る物語が新たに始まる─。
ホラーの帝王であると同時に「スタンド・バイ・ミー」、「ショーシャンクの空に」などを上梓してきたスティーヴン・キングの原作を、マイク・フラナガン監督が映像化した、恐怖をくぐり抜けたその先で出会えるからこそ、より深く豊かな愛と希望を描く感動作。
© 2024 DANCE ANYWAY, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
サブカルおじさんの推しどころ
数ある名作を発表し続けるスティーヴン・キングの作品の中でも読む者の人生観を変える傑作として名高い「The Life of Chuck」の実写化。
天災、ネットの断絶、電気の停止と徐々に確実に世界が滅んでいく過程が生々しい中で、突然壁広告やTVで映り出すチャックの笑顔と世界の崩壊というミスマッチが不安で不穏な雰囲気を醸し出す。
そんな正体不明のチャックを「アベンジャーズ」でロキを演じたトム・ヒドルストンが熱演。そして、チャックの祖父役には「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカー役を演じたマーク・ハミル! このマーク・ハミルのお爺ちゃん役がアニメ映画「ピノキオ」に出てくるゼペットじいさんを実写化したかのような外見で見事なキャスティング。フォースこそ使わないが、時に優しく、時には数学的知見と目力で場を制する厳しいお爺ちゃんを演じる。
物語は3章仕立てになっており、どうして世界が滅ぶことになるのか疑問を持ちながら進むが、あの時の会話が……あの言葉が……この風景は……と一つひとつがつながり、やがてミステリーからヒューマンドラマへ変わっていくのが劇中で披露されるダンスのように美しい。
よほどのことがない限り、誰の人生にも、つながりや記憶、喜び、痛み、喪失、悲しみ、そして愛や家族がある。
失うものと残るものを思い返し、今を生きることにもう少し真面目になろうと思える生命賛歌。
GW、アニメもいいけど、人生とは、生きることとは、学ぶこととはそれらについて深く考えてみるのもいいのではないだろうか。
鑑賞後、家族や彼氏・彼女といった身近な人たちと語り合ってもらいたい美しい哲学的な作品。
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監督・脚本:マイク・フラナガン
配給:ギャガ、松竹
5月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
担当記者
青山 竜(あおやま りゅう)
東京編集課所属。映画・音楽・芸術あらゆる文化に中途半端に手を出し、ついたあだ名は「サブカルくそおじさん」。