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【車業界版・今日は何の日】9月9日は「救急の日」!現場で使える顧客トークネタ

バンパーの軽微な擦り傷と、ミリ波レーダー透過を阻害する「パテ・メタリック」

  • #トピックス

2026/09/09

■ 9月9日は「救急の日」
 9月9日は「きゅう(9)きゅう(9)」の語呂合わせから、厚生労働省と消防庁が救急医療や救急業務に対する国民の正しい理解を深めるために制定した「救急の日」である。
 自動車の安全技術においても、前方の障害物や歩行者を検知して自動で急ブレーキをかける「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)」などの先進機能が、現代の救急回避システムとして全車に普及している。
 そんな現代だからこそ発生する特有のトラブルが、「バンパーを軽く擦っただけなのに、メーターパネルに安全機能のエラー警告灯が点灯した」という事象だ。


バンパー内部に隠された「ミリ波レーダー」の透過理論
 最新車両のフロントバンパーやリヤバンパーの裏側(あるいはエンブレムの裏側)には、電波を照射して対象物までの距離を計測する「ミリ波レーダー」や、超音波を用いる「ソナーセンサー」が隠されている。バンパーの樹脂は電波を透過する性質を持っているため、このセンサーの前面には電波を遮る障害物を配置してはならない。ドライバーがバンパーを障害物に擦った際、外装の樹脂が数ミリ凹んだだけで、裏側にあるミリ波レーダーのブラケット(取り付け部)が歪み、電波の照射角度が狂ってしまう。これが警告灯点灯の直接的な原因である。


センサー周辺の「パテ盛り」と「メタリック塗装」の厳格な禁止
 さらに、鈑金塗装工場におけるバンパー修理のセオリーも、このレーダーの存在によって劇的に変化している。自動車メーカーの修理マニュアルでは、「ミリ波レーダーの照射範囲(レーダーコーン)に該当するバンパー表面の補修」を厳格に禁止、あるいは極めて厳しい制限を設けている。 なぜなら、凹みを平らにするために「パテ」を盛ると、樹脂よりも比重の重いパテの層が電波を減衰・乱反射させてしまうからだ。
 また、塗装においても、塗料に含まれるアルミフレーク(金属片)などの「メタリックパール顔料」が電波の透過を著しく阻害する。少しでも膜厚が変われば、レーダーは対象物を正しく認識できなくなるのだ。


電子制御と直結する「アッセンブリー交換」の必然性
 したがって、センサー照射範囲に損傷がある場合は、従来の「削ってパテを盛って塗る」という部分補修は不可能であり、未塗装の新品バンパーへの「アッセンブリー交換」が原則正解となる。さらに交換後は、スキャンツールとターゲットボードを用いて、レーダーの照射角度をミリ単位で校正する「エイミング(特定整備)」作業が法令上必須となる。現代のバンパー補修は、単なる外装の修復ではなく、電波工学と安全制御システムの健全性を担保する重整備へと変貌を遂げている。