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国土交通省より6月に発表された「事故車修理の標準作業時間」調査結果を受け、DAAが見解を発表

  • #インタビュー

2026/08/28

中谷昌平代表理事

 国土交通省は6月24日、事故車修理の標準作業時間に関する調査結果を公表し、一部作業において自研センター指数と現場での作業時間に乖離がある可能性を示した。これを受け、一般社団法人 事故車損害調査協会(中谷昌平代表理事、以下DAA)では調査結果を「現場実態を客観的に示す重要な結果」として受け止め、DAAで独自に策定する自補修の鈑金塗装作業における基準工数「RESPECT」においても、調査結果を客観的資料として活用していく方針を示した。その背景について中谷昌平代表理事に聞いた。


―国土交通省の調査結果をどのように受け止めるのか

 今回、国土交通省が実施した調査において、特に鈑金工程で現行の自研指数よりも長い作業時間の傾向が確認されたことは、事故車修理の現場を客観的に示す重要な調査結果であると受け止めている。
 当法人では従来より「標準作業時間は現場実態を反映したものであるべき」との考えから、多数の車体整備事業者の協力を得てDAA基準工数「RESPECT」を策定してきた。調査結果は、その方向性と大きく矛盾するものではなく、実際の作業実態と既存の自研センター指数による参考基準との間に乖離が存在する可能性を国が示した点に大きな意義があると考えている。
 一方でこの調査は標準作業時間の在り方を検討するための一資料であるため、今後さらに実務に基づいた検証と議論が進むことを期待している。


ーDAA基準工数「RESPECT」と調査結果との整合性について

 DAA基準工数「RESPECT」は、全国の車体整備事業者から提供いただいた実績データを分析し、“実際に現場で必要とされた作業時間”を基礎として策定している。一方今回の国交省調査は、自研センター指数とCAB工数との比較を通じて実態との差異を分析したものであり、目的や調査方法は異なる。
 したがって、両者を単純に比較することは適切ではないが、「現場実態を反映した標準時間が必要である」という方向性は共通していると考える。当法人としては、今後も詳細なデータ検証を行い、必要に応じてDAA基準工数「RESPECT」の継続的な見直しを行っていく予定。

 国土交通省が関係者による対話を進める方針を示したことは、事故車修理業界にとって前向きな取り組みである。当法人では、全国の車体整備事業者から蓄積されたデータを保有しており、それらは現場実態を把握するための一つの有効な資料になり得るものと考えている。
 今後、国土交通省等から協力要請や意見募集があった場合には、積極的に協力し、必要な情報提供や提言を行っていきたい。また、事故車修理に関する制度や運用については、修理事業者だけでなく、保険会社、学識経験者、そしてカーオーナーも含めた幅広い視点から議論されることが重要であろう。


ー損害保険会社との個別交渉についてはどのように考えるか

 国土交通省が車体整備事業者への周知項目として、“自研指数の時間内で作業が終了しない場合には、損害保険会社と個別交渉すること”と明示したのは、現場実態を踏まえた協議の重要性を示したものと受け止めている。
 ぜひDAA基準工数「RESPECT」を“交渉のための客観的資料の一つ”として活用いただきたいと考えている。もっとも、交渉は単に工数のみで行われるものではなく、 修理方法や損傷状況を含む車両状態、使用設備、カーメーカーごとの修理方法、実作業内容などを総合的に説明することが重要。会員内外のRESPECT利用者に対しても、根拠ある資料に基づいた説明方法や交渉手法の情報提供を引き続き行い、適正な事故車修理環境の実現に取り組んでいく所存である。