JOURNAL 

SEMA SHOWでアフターマーケットの大きな可能性を感じ、さらなる発展へのヒントを見つけて欲しい

[インタビュー]日本塗料工業会 普及広報部長 清水 慶司 氏

  • #インタビュー
  • #PR

2026/09/07

先進安全技術の普及などに伴い、事故車修理需要の縮小が懸念される中、かつて「マジョーラ」のプロジェクトを牽引し、現在は日本塗料工業会で普及広報部長を務める清水慶司氏は、自補修業界に向けて「色の力」を活用したアフターマーケットの活性化を提案している。

そして、そのヒントを得る場として挙げるのが、世界最大級のアフターマーケット見本市「SEMA SHOW」である。自身のSEMA SHOWでのエピソードを交えて、自動車補修・塗料業界の発展に向けたアイデアを聞いた。


――「SEMA SHOW」の魅力を教えてください

 日本の一般的なビジネス展示会とは、視点が大きく異なる点です。日本のビジネス展示会では、塗料などの商材そのものの訴求が中心になることが多いですが、SEMA SHOWは「トレードショー(BtoBの商談見本市)」でありながら、ユーザー目線・市場目線が強く意識されています。

 プロ向けの商談の場でありながら、カーメーカーからパーツメーカー、カスタムショップまでが一体となり、バイヤーに対して「この車やパーツをユーザーにどう魅せるか」というプロモーションそのものを提案しています。塗料のプロモーションにおいても自動車だけでなく、楽器や自転車など様々なものに塗装を施し、世界観を丸ごと提案しています。この演出のスケール感が、SEMA SHOWの大きな魅力の一つだと感じています。

ーー実際にSEMA SHOWへ参加した際のエピソードを教えてください

 初めてSEMA SHOWに参加した1998年当時、私は日本ペイントで「マジョーラ」のプロジェクトマネージャーを務めていました。その後2008年まで、国際情勢の影響で渡航が困難だった時期を除いて毎年参加し、SEMA SHOWを通じてカーメーカーのマーケティング担当者などと直接対話する機会を得ることができました。

 SEMA SHOWで「どうやって車を売るか」を考えるマーケティングの責任者たちと接点を持ったことが、当時トヨタが北米で展開していた若者向けブランド「サイオン(Scion)」でのマジョーラの採用につながりました。

 また、SEMA SHOWで体感したダイナミックなプロモーション手法は、国内でマジョーラのマーケティングを考える際の大きなヒントとなりました。

――塗料販売店や鈑金塗装工場が、SEMA SHOWに足を運ぶメリットはなんでしょうか?

 単なる観光や視察ではなく、「自社ビジネスの新しい種」を見つけることができると考えています。

 今後、先進安全装置の普及などに伴い、事故車修理の需要は縮小していくと考えられます。そのため多くの塗料販売店や鈑金塗装工場において、既存事業だけでの継続的な成長が困難となるのではないでしょうか。

 この課題に対し、私は「オールペイントやカスタムペイントによる“色の力”で新しい市場を創造すること」を提案したいと考えています。この「色の力」を活用してアフターマーケットを活性化させ、成功を収めている先進事例がアメリカ市場です。もちろん、アメリカと日本とでは文化も市場環境も違いますから、アメリカのカスタム文化をそのまま真似する必要はありません。「自社でやるかやらないか」は、情報を持ち帰った上で各社が判断すれば良いことです。大切なのは、まずは海外の市場と実例を知ることです。知らなければ選択肢すら生まれません。

 現在、価値観の変化に伴い、国内でも「中古車を購入し、自分好みの特別感ある色に塗り替えて乗る」というニーズが育ちつつあります。以前は新車時の塗色から塗り替えると、中古車として販売する時の価格が大きく下がりましたが、現在は美観やデザイン性を高めるアフターマーケットでの塗装の価値が認められつつあると感じています。

 塗料メーカーや販売店、鈑金塗装工場が一体となって「人と違う色に塗る価値」をユーザーや社会に発信し、新たな市場を作り出すことができれば、業界の活性化や持続的な成長つながると考えています。

ーー最後に、自動車補修業界関係者へ向けてメッセージをお願いします。

 私自身、今年は久しぶりにSEMA SHOWへ足を運ぶ予定にしています。

 業界の未来を模索しているメーカーや販売店、施工店の皆様におかれましても、もし今年現地を訪れる予定があれば、ぜひ事前や現地でお気軽にお声がけください。これまでの私の経験を共有することで、皆様のビジネスのヒントにつながれば嬉しいです。

 現地の熱量を肌で感じながら、これからの自動車補修業界を面白くしていく仕掛けを共に考えていきましょう。

SEMA SHOW2026について

開催日程:11月3日~6日

会場: ラスベガス・コンベンションセンター(米国ネバダ州ラスベガス)

主催: 米国自動車用品業界協会(SEMA / Specialty Equipment Market Association)

入場資格: 原則として自動車関連の業界関係者限定(BtoB トレードショー)

特徴

・世界最大規模のアフターマーケット見本市

完成車メーカー、パーツメーカー、塗装・ボディショップ、カスタムショップ、整備機器メーカーなど、2千数百社を超える企業が一堂に会する自動車アフターマーケットの世界的イベント。

・最新トレンドとプロモーションの宝庫

新製品の発表だけでなく、最新のカスタム車・デモカーを数千台規模で展示。カスタムペイント、ラッピング、オフロード、パフォーマンスチューニングなど、北米をはじめとする世界的な自動車カルチャーとビジネスのトレンドを肌で体感できる。

・AAPEXとの同時期開催

同期間中、同じラスベガス市内で自動車部品・補修業界向けの国際見本市「AAPEX(Automotive Aftermarket Products Expo)」も開催されるため、世界中の補修・流通関係者が集結する。


SEMA SHOW2026 開催時期にラスベガス(3泊)、その後ロサンゼルスで塗料販売店などを見学(2泊)するツアー(主催:JCBトラベル)のご案内及びお申し込みは、下記リンクからご確認ください。

ラスベガス・ロサンゼルス5泊7日の旅(JCBトラベル主催)