JOURNAL 

日本ペイント、「nax E-CUBE WBX」を発売

水性カラーベースを全面リニューアル 仕上がり及びなじみ性の改良で、鈑金塗装工場の水性化を支援

  • #ニュース
  • #新製品

2026/07/15

 日本ペイントは7月より、自動車補修用水性カラーベース「nax E-CUBE WB」を「同WBX」として全面リニューアルする。7月7日にはリニューアル第1弾として、主要メタリック原色、バインダー、希釈剤の販売を開始した。

「nax E-CUBE WBX」の特徴

仕上がり性の向上

 塗料粘度を制御し、アルミ顔料の並び方を制御することでメタルムラを低減するとともに、垂れにくく、フラットで均一な仕上がりを確保。

優れたなじみ性

塗着NV(ノンボラ:塗装された塗料が被塗物に付着後、揮発成分が蒸発して塗膜として残る成分の量)を最適化することで、なじみやすさが向上。それにより優れたボカシ性、ダストなじみ性を確保した。

良好な研磨性

乾燥後の塗膜が研ぎやすく、中研ぎ作業性が向上。

優れた乾燥性

乾燥を早めており、スムーズな次工程への移行が可能。

 また、樹脂粒子における粒径制御の最適化により、粒子の均一化が図られている。均一な粒子が整列することで、フラットな塗膜を形成する粒子融着を実現し、塗料全体の性能向上につなげている。

7月7日に発売した製品ラインアップ

 7月7日に発売された製品ラインアップは次の通り。

<バインダー>

・911 S-バインダー

・910 M-バインダー

<希釈剤>

・R10

・R20

・R30

<原色>

・002

・004

・021

・023

・024

・031

・034

(主要メタリック7色)

<補正用クリヤー>

・280補正用クリヤー


 先代WBでは5種類設定されていたバインダーが2種類に、同じく6種類設定されていた希釈剤が3種類となり、ラインアップをシンプル化。補正用クリヤーについても、WBでは標準・速乾が用意されていたが、WBXでは1本化された。

発売日当日にリリース発表会を開催

 7月7日には、同社東京事業所(東京都品川区)でリリース発表会が開催された。

 冒頭の挨拶で榎本朋夫社長は、自補修用水性塗料を提供してきた歴史を振り返ったうえで、「初代水性塗料を発売して25年間、水性塗料の普及に取り組む中で、多くの喜びの声をいただく一方、今後の改善につながる貴重なご指摘やご要望、そして新たなニーズも数多くいただいた。本日紹介するWBXは、それら一つひとつ1つの声を真摯に受け止め、塗料性能と品質に落とし込み、開発、完成させ、満を持して発表する新製品である」と紹介。

 また、自動運転技術の進化に伴う修理台数の減少や、修理内容の高度化及び複雑化、人材不足、化学物質対応をはじめとした各種法規制の強化など、業界を取り巻く環境の変化に言及し、「コンプライアンスへの対応はもはや選択肢ではなく、事業継続のための必須条件となっている。そして、これらの業界課題を解決する上で、水性塗料の重要性は今後さらに高まると考えている。水性塗料は環境対応と品質確保を両立する重要な選択肢であり、今後さらに普及が進む」との認識を示した。

 そして「その名に込めたワールドベスト水性塗料の思いとともに、お客さま満足度100%の実現を目指し、販売店の皆様とともに歩んで参りたい」と述べ、W(ワールド)B(ベスト)X(水性塗料)の製品名に込めた思いを紹介するとともに、発表会に出席した協力塗料販売店に対し、拡販への支援を呼び抱えた。


榎本朋夫社長

WBX発売の背景と関連製品の構成、第2弾の発売計画

 続いて、営業本部・大西正則副本部長がWBXの製品概要について説明。

 まず、WBXの発売背景として、次の3点を挙げた。

市場の変化と水性化の流れ

<水性塗料の将来>

・SDGs最終年に向けた市場の水性塗料シフト

・中東問題に端を発した脱石油依存の潮流

求められる塗料性能

<重要品質項目>

・手離れの良さ

・優れた研ぎ性

・メタルムラの低減

・塗り心地の追求

WBX開発の方向性

<開発の必要性>

・溶剤並みの作業性を持った水性



 その上で、WBXの改良項目として14項目を提示し、先代モデルWBとベンチマークした他社水性塗料との比較や、「ムラ性・タレ性」、「乾燥性・研磨性」、「なじみ性・ダスト性」の向上をもたらす技術的メカニズムについて解説した。

 先代WBとの互換性については、WB原色とWBX原色の混合やWB原色へのWBXバインダー及び希釈剤の使用が可能であり、ランニングチェンジに対応していることを紹介。一方で、WBとWBXのバインダーと希釈剤は互換不可であり、WBX原色に対するWBバインダーの使用も不可であることを説明した。

 また、周辺機器としてミキシングマシンを発売することが発表された。WBXは塗料自体の改良や容器の変更により、システム全体で貯蔵安定性が向上しているものの、使用頻度の低い原色や過酷な気候環境にも確実に対応するため、ミキシングマシンを設定したと説明。WBX導入後、WBのラックをそのまま継続使用することも可能であると補足した。

 調色関連製品・サービスについては、WEB VIF(調色配合データ検索サービス)やコンピューター調色システム・カラボなどで、同日よりWBXに対応することが発表された。また、残りの原色については10月9日に発売を予定していることが明かされた。


営業本部・大西正則副本部長

 その後、WBXの開発に携わった同社技術統括本部AR塗料技術部東日本グループ・田西一磨、相田樹哉、福島郁子、営業本部 ARI営業部AR近畿グループ・中村直幸の各氏が登壇。WBXの設計におけるコンセプトや採用されたテクノロジーについて、開発時のエピソードなどを交えてディスカッション形式で紹介した。


ディスカッションの様子。統括本部AR塗料技術部東日本グループ・田西一磨氏(左から2人目)、同・相田樹哉氏(同3人目)、同・福島郁子氏(同3人目)、営業本部ARI営業部AR近畿グループ・中村直幸氏(右)

 塗装ブースでは、WBXと他社水性塗料を用いてボカシ塗装を実演。塗装後にはブースの扉が開放され、参加者はWBXの仕上がりやなじみ性を熱心に確認していた。

 発表会後には懇親会が開催され、同社社員と協力販売店の担当者がWBXの特徴や業界動向などの幅広い情報を交換。車体整備業界の課題解決に向けて、WBXを積極的に提案していく方針を共有した。


塗装ブースでは、WBXを用いたボカシ塗装を実演。

匠自動車(高知県高知市)の田中大助社長(左)と田中珠理氏。田中珠理氏は、発表会で塗装実演を担当した。

発表会会場に用意された巨大ロゴ。

懇親会は、WBX特製カクテルによる乾杯で幕を開けた