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【車業界版・今日は何の日】9月4日は「くしの日」!現場で使える顧客トークネタ
フロント衝突で潰れる「ラジエーターフィン」と冷却効率の復元
2026/09/04
■ 9月4日は「くしの日」
9月4日は「く(9)し(4)」の語呂合わせから、美容関係者らが髪をとかす「櫛(くし)」を大切にする日として制定した「くしの日」。
自動車の内部構造において、この櫛の歯のように極めて細かく、等間隔に並んだ金属のヒダが無数に配置されている重要部品がある。それが、フロントバンパーの奥に設置されている「ラジエーター」及び「エアコンコンデンサー」だ。
■ 走行風を受け止める「フィン」の構造と脆弱性
自動車のエンジンを冷却するラジエーターや、カーエアコンの冷媒ガスを冷やすコンデンサーは、薄いアルミのチューブと、その間に波状に折り込まれた極薄の「コルゲートフィン」で構成されている。この無数のフィンの間を走行風が通り抜けることで、熱交換(放熱)を効率的に行う仕組みである。
しかし、このフィンは放熱効率を極限まで高めるためにアルミホイルのように薄く作られており、物理的な衝撃に対して極めて脆弱である。軽微な追突事故でフロントバンパーが少し凹んだだけでも、バンパーの裏側がコンデンサーに干渉し、このフィンが広範囲にわたってグシャグシャに潰れてしまうケースが頻発する。
■ フィンの潰れが引き起こすオーバーヒートとエアコン不良
フィンが潰れた状態を放置すると深刻な二次被害を引き起こす。潰れたフィンは壁となり風を通さなくなるため、冷却液の温度を下げることができず、夏場の渋滞中などにエンジンが「オーバーヒート」を起こす。また、コンデンサーが冷えなくなることでエアコンの効きが著しく低下し、さらにハイブリッド車(HV)の場合は、インバーター冷却用のサブラジエーターが機能不全に陥り、システム全体が停止するリスクがある。
■ フィンストレーナーによる修正とアッセンブリー交換の境界線
鈑金塗装工場に入庫した際、フロント周りの損傷確認においてコンデンサー類の点検は必須項目となる。飛び石などによるごく一部のフィンの曲がりであれば、「フィンストレーナー」という櫛状の特殊工具をフィンの隙間に挿入し、曲がったアルミのヒダを真っ直ぐに起こして空気の通り道を復元する。 しかし、事故の衝撃で内部のチューブ(水路やガス流路)にまで歪みが及んでいる場合や、広範囲のフィンが潰れている場合は、迷わず「アッセンブリー交換」の判定が下される。コンデンサーを交換する際は、エアコンガスの全量回収と真空引き(配管内の水分・空気除去)、そして規定量のガス充填という、高度なフロン類取扱技術と専用の回収再生装置が不可欠となる。外観の復元と同時に、車両の熱交換システムの健全性を担保する重整備である。