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原材料不安のなか日塗工が定時総会を開催

業界の現状とナフサ確保に動く行政の現在地

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2026/05/27

 日本塗料工業会(毛利訓士会長)は5月19日、東京塗料会館(東京都渋谷区)で第41回定時総会を開催した。

 2025年度の事業を報告するとともに、2025年度決算や2026年度事業計画及び予算について審議し、いずれも可決承認された。


供給不透明な情勢下における塗料業界の現状認識と今後の展開

 総会後開催された懇親会の冒頭、毛利会長は挨拶の中で中東情勢の影響について言及。原油やナフサに由来する塗料原材料の供給不安、先行き不透明な状況を受けた会員各社の苦労を慮ったうえで、経済産業省の出荷統計において今年3月の溶剤系合成樹脂塗料出荷量が前年比で増加していることを紹介し、「この数字は、厳しい状況においても顧客の要望にできるだけご対応したいという塗料メーカーの思いの表れと受け止めている」と、会員各社の努力を評価した。今後も経済産業省との連携を密にすることで、可能な限り早く正確な情報の伝達に努める姿勢を強調した。

 また、社会情勢を注視しつつも、会員各社のメリットに向けて、主に次のテーマを軸に事業展開を進める方針を示した。


・安全環境の取り組み

 昨年度、作業安全衛生ハンドブック第3版が完成。今年度は静電気事故対策第3版を作成する予定で、利便性の向上を目的としてオンライン化も検討する。また、2025年に製作した塗料業界向け労働災害体験VRコンテンツの普及に努める。


・化学物質管理の取り組み

 労働安全衛生法、化審法などの塗料業界に関連する法改正の情報をタイムリーに提供するとともに、業界としての意見を発信していく。


・塗料塗装普及の取り組み

 2021年度から開始したCCSセミナーの基礎編が、塗料産業で活躍する若手社員に必須の講習となるように内容の充実を図る。また各種のセミナー、フォーラムにおいては、常に実践を意識した内容で開催していく。


懇親会で挨拶する日本塗料工業会・毛利訓士会長

経産省の現状認識──流通の滞りに対する情報集約と今後の施策

 続いて来賓を代表して登壇した経済産業省製造産業局素材産業課の菊池孝憲企画調査官は、日塗工の総会開催への祝辞を述べるとともに、日頃の経済産業行政への協力や、緊迫する中東情勢下における塗料の安定供給への尽力に対する謝意を表明した。

 菊池氏は、政府としてエネルギー安全保障の確保や国民生活・経済活動への影響を最小限に抑えるため全力で対応している方針を説明。国内におけるナフサなどの原材料確保について、中東以外からの輸入拡大により平時の3倍の調達を実現している実績を挙げ、「年を越えて経済活動を継続できる見込み」との見通しを示した。

 一方で、一部に供給の偏りや流通の停滞が生じている現状に対する課題認識を示し、経産省内に専用の情報提供窓口を設置したことを報告。サプライチェーンの情報を集約し、対応を図っている状況を説明するとともに、関係省庁等との連携を強化し、流通の滞りや目詰まりの解消に向けて対応していく方針を強調した。

 さらに、今後の産業環境について、デジタル化の進展やGX・DXを巡る国際競争の激化などの変化を指摘。経済安全保障の観点から、日本の自律性と不可欠性を高めるため、強みを持つ部素材分野においてAI等を活用した研究開発や設備投資への支援を継続していくとした。

 最後に、インフラや自動車など幅広い分野で貢献を果たしている塗料の重要性と役割を強調するとともに、業界が協力して着実に成果を上げているカーボンニュートラルへの貢献やVOC・シックハウス対策を高く評価した。その上で「競争力の維持強化とGX、また資源循環といった社会要請への対応の両立に向けて、官民一体となってぜひ前進してほしい」と業界に対する期待を示した。


挨拶する経済産業省 製造産業局素材産業課・菊池孝憲企画調査官