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ANEST IWATA A.I.R.、新たな挑戦で自動車補修業界の未来を切り拓く

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2025/10/01

現在、オープンに向けて着々と準備が進められている。看板も大きく高くしあり、ドライバーが視認しやすいようになっている

ANEST IWATA A.I.R.(神奈川県横浜市)は、マーケティング拠点を兼ねた車体整備工場「オートテックベース湘南」を10月12日にオープンする。同社は、長年にわたる産業機械メーカーとしての経験を活かし、業界全体の課題解決と発展を目指す。


現場発のイノベーションと高品質なサービスを両立

オートテックベース湘南は、塗料や工具メーカーと直接連携し、業界を巻き込んだ技術革新を推進する「メーカー連合による実証・開発拠点」としての役割を担う。実際の車体整備やコーティング、洗車サービスを提供する中で得られたノウハウや知見を積極的に開示し、鈑金塗装業界全体を盛り上げることを目指している。

同社は、メーカーならではの立場で、一般的なマニュアルでは解決できない問題にも取り組む姿勢を強調している 。これは、メーカーの「理想」と現場の「現実」のギャップを意図的に発信する「情報拠点」となることを目指すもので、顧客との距離を縮め、製品開発のフィードバックサイクルを構築する狙いがある 。

また、高品質なサービス提供にも力を入れており、経験豊富な自動車業界出身スタッフや国家資格整備士が在籍することで、お客様に安心・安全なサービスを届ける。産業機器メーカーだからこそできる「現場発のイノベーション」と「高品質なサービス」を両立する方針だ。


業界の課題解決へ向けた取り組み

同社は、車体整備業界が抱える深刻な人材不足や価格転嫁の問題にも向き合う。鈴木善之社長は、設備や技能に関する共通の前提がないことが、適正な価格転嫁を難しくしている要因だと考えている。

この課題を解決するため、メーカーの立場から設備や技能の前提条件を設定し、適正な価格を提示する方法を模索していく。これにより、技術が正しく評価され、従業員が残業に依存する給与体系や社会保険・企業年金の未整備といった状況から脱却できると見込んでいる。

同社は、技術や待遇が正しく評価されるよう、「アネスト岩田 塗装検定」のような独自の検定を創設し、業界の新しい基準を構築することを目指している。これは、同社だけでなく他メーカーとも連携して進めていく方針だ。産業機器メーカーの立場を超え車体整備業界全体の事業環境を改善し、次世代に繋ぐ活動拠点の今後に注目したい。