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コスモ石油とGE Vernovaが覚書締結、製油所の設備保全高度化へ
生成AIやデータ分析を活用したAPMの新機能を実際の現場で先行検証
2026/10/21
コスモ石油(西 克司社長)とGE Vernova Software Japan(以下、GE Vernova)は、GE Vernovaのアセットパフォーマンスマネジメント(APM※1)ソフトウェアのベータプログラム※2に関する覚書(MOU)を締結した。本MOUに基づき、コスモ石油はGE Vernovaが開発するAPMの新機能を先行利用し、実際の製油所の保全現場で検証を行う。両社は、コスモ石油の製油所におけるニーズや検証結果を機能開発に反映することで、設備保全の高度化、業務効率の向上、設備の信頼性・安全性のさらなる向上を目指す方針だ。
協業背景と検証対象機能
製油所では、高経年化する設備を安全・安定的に稼働し続けるため、設備状態や運用リスクを的確に把握し、限られたリソースの中で保全業務を高度化することが求められている。コスモ石油は、製油所の安全操業・石油製品の安定供給を支える基盤をより強固にするため、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、AI・デジタル技術を活用した設備保全の高度化に取り組んでいる。
GE VernovaのAPMは、設備の稼働状況や運用リスクに関するデータと専門知見を組み合わせ、設備の状態把握や保全に関する意思決定を支援するソフトウェアである。今回のベータプログラムでは、主に以下の新機能を対象に検証を進める。
- Health 2.0
設備の状態を運用リスクの観点から評価・定量化し、保全対応の優先順位付けを支援する機能。コスモ石油はこの機能の活用を通じて、状態基準保全(CBM:Condition-Based Maintenance)の高度化、保全業務の優先順位の明確化、リソースの有効活用および業務効率化を進める。
- Analytics Builder
コスモ石油のデータサイエンティスト、エンジニア、オペレーターが、GE VernovaのAPM監視・ワークフローと連携する独自の分析モデルを構築・検証・運用できる機能。分析モデルの開発迅速化や予兆保全能力の強化を通じて、設備保全のさらなる高度化を目指す。
- 生成AIエージェント
GE Vernovaの産業用SaaSプラットフォームに搭載された生成AIを活用し、設備保全に関する情報収集・分析や意思決定を支援する。活用する主なエージェントは以下の通りだ。
・Strategyエージェント:故障モード影響解析(FMEA)やアセット戦略テンプレートの作成・標準化を支援する。
・自然言語クエリ(NLQ)エージェント:自然言語によるAPMデータの照会を可能にし、情報探索を効率化する。
・Document Intelligenceエージェント:検査報告書を取り込み、要点や異常を整理・可視化し、対応案の検討を支援する。
・Inspectionエージェント:検査データの抽出・要約を行い、文書分析の効率化や検査業務の改善を支援する。
今後の方針
コスモエネルギーグループは、第8次連結中期経営計画において「生産性向上とAI・デジタル徹底活用による経営体質強化」を重点項目に掲げている。本MOUに基づく取り組みは、保全の現場が抱える課題に対し、最新のデジタル技術を活用したAPM機能の有効性を検証する機会と位置付けられる。コスモ石油はGE Vernovaのエンジニアと緊密に連携し、現場の実際のニーズや検証結果をフィードバックすることで、機能の改善・高度化に取り組む方針としている。
※1 APM(Asset Performance Management):設備の稼働データなどを活用して設備の状態やリスクを把握・分析し、保全業務の効率化や設備の信頼性向上につなげる仕組み。
※2 ベータプログラム:正式リリース前のソフトウェアや新機能を、一部の利用者が先行して試用できる仕組み。利用者は開発元と連携しながら実際の業務で機能を検証し、その意見が製品の改善に活かされる。
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