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コスモ石油マーケティングとELEMENTS、セルフSS向けAI自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION」の全国導入を開始
2026年2月の法改正による規制緩和に対応し、人手不足の解消と安全確保の両立を目指す
2026/05/27
コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油マーケティングは、ELEMENTSと開発中のセルフ式サービスステーション(SS)向けAI自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION(アイキューパーミッション)」について、全国のセルフ式SSへ導入を開始する。同システムにより、現在セルフ式SSの従業員が行っている業務の一部をAIに代替させることが可能になる。
システムの概要と導入メリット
「AiQ PERMISSION」は、AIがカメラ映像を解析し、セルフ式SSでの給油時の安全確認や不適切な給油の検知を自動化するシステムである。2018年から開発を開始し、技術基準適合確認試験合格後から複数店舗で実証実験を行ってきた。給油者や車の状態を捉えるカメラの映像をもとにAIが判定を行い、リスク行為がなければ給油許可を実行する。リスク行為を検知した場合は、従業員に警告または給油停止を行う仕組みだ。
同システムの導入により、セルフ式SSにおける省人化や従業員の高付加価値業務へのシフトが可能になるほか、ヒューマンエラーによる事故やトラブル防止など、より一層の安全確保につながるとしている。具体的な導入メリットは以下の通りである。
- 高い安全性の確保:給油許可を出した後も引き続き監視を行う。給油開始前や給油中に関わらず火気の検知を継続するなど、従来の人のみでの対応では十分に行き届かなかった監視を強化することで、より高い安全性を担保できる。
- 業務の効率化による生産性向上:AIによる自動給油許可監視システムにより、給油許可の確認作業を自動化できる。給油許可に関する従業員の対応はAIがリスク行為を検知した時のみとなり、他業務に従事することが可能になるなど、生産性高く効率的に業務を行うことができる。
法改正の動向と今後の導入計画
今後の導入に向けて、同システムは2024年の実証実験において、実装の条件となる危険物保安技術協会(KHK)による実証機の技術基準適合確認試験に合格している。2026年4月1日からは、実装機において条件付自動制御装置を使用した監視システムに求められる仕様および機能等が備わっていることを確認するとともに、システムの運用および管理体制等が適切に構築されていることを確認するための試験が開始されている。関連法令に準拠した実装機での「試験確認証明書」を取得でき次第、全国のセルフ式SSに導入を開始していく方針だ。
開発の背景には、国内の給油所(SS)数の深刻な減少がある。国内の給油所数は1994年度末の60,421ヵ所をピークに減少が続いており、30年間で半数以下となった。燃料油需要の減少だけでなく、近年では人員不足や後継者不在による閉店も主な要因であり、特に過疎地域では「地域インフラの危機」として大きな課題となっている。
この課題解消のため、総務省消防庁は「危険物施設におけるスマート保安等に係る調査検討会」にて、セルフ給油取扱所におけるAI等による給油許可監視支援についての議論を2021年より開始した。同検討会は以降5年にわたり継続して開催され、2026年3月に「危険物施設におけるスマート保安等に係る調査検討報告書」がとりまとめられた。このような経緯から、1998年のセルフ給油解禁以来、安全管理の観点から人によって行われることが必須であったセルフ式SSの給油許可・監視は、2026年2月27日の法改正により規制が緩和され、一定の条件を満たした「自動制御装置」の導入が認められることとなった。
店舗実証の成果と両社の展望
これまで同システムは複数店舗で実証実験を実施しており、規模やレーン配置構成、カメラ設置条件など、タイプの異なる店舗にて対応できることを確認している。また、積雪地域でも検証を行い、肉眼では視認性の悪化する条件下でも安定した運用が可能であることを実証した。
コスモ石油マーケティングは、SSを地域社会を支える重要な社会インフラの一つと位置づけ、持続可能性の確保と新たな価値提供に向けた取り組みを推進している。これまでにもセブン-イレブン・ジャパンとの複合型店舗の展開やSS跡地の有効活用などを通じて、SSの役割拡張と可能性の創出に取り組んできた。同システムは安全性を最優先としながら給油許可業務をAIが支援することで、店舗運営の効率化および事業継続性の向上に貢献する仕組みであり、特に人手不足が深刻化する地域においては持続可能なSS運営を実現する有効な手段の一つになると捉えている。今後も安全性と利便性の両立を追求しつつ、地域に根ざしたSSの新たな価値創造に挑戦し、地域社会の発展に貢献していく構えだ。
共同開発を行ったELEMENTSは、人手不足や後継者不在による過疎地のSS閉業・営業時短は社会インフラにおける大きな課題であるとし、同システムはその構造そのものを変えるために生まれたと説明する。AIが監視と許可判断を担うことで、スタッフはモニター監視から解放され、洗車・接客・提案販売といった顧客との関係を深める仕事に時間を使えるようになる。採用が難しい地域でも店舗を維持でき、来店する顧客の満足度も店舗の収益性も同時に高まるという。AIが代替するのは「人の仕事」ではなく「本来、人がやる必要のなかった業務」であり、必要なのは人手不足の対症療法ではなく業務の再定義であるとしている。単なる省人化ツールではなく、スタッフ一人ひとりが顧客の顔を見て誇りを持って働ける店舗に戻す手段としてAIを位置づけ、一軒でも多くのSSが地域に残り続け、日本のエネルギー供給が安定化する未来のために取り組みを推進するとしている。
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