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【車業界版・今日は何の日】10月7日は「ミステリー記念日」!現場で使える顧客トークネタ

車内に響く「謎の異音」と、スポット溶接剥がれの剛性復元

  • #トピックス

2026/10/07

【車業界版・今日は何の日】10月7日は「ミステリー記念日」!現場で使える顧客トークネタ


10月7日「ミステリー記念日」と整備現場を悩ませる怪現象

1849年10月7日は、世界初の推理小説『モルグ街の殺人』などを執筆したエドガー・アラン・ポーが没した日であり、「ミステリー記念日」とされている。

さて、車関連の「ミステリー(謎)」の一つに、走行中にどこからともなく聞こえてくる「謎の異音」がある。段差を乗り越える際のギシギシ音や、カーブを曲がる際のカチカチ音など、原因の特定が極めて困難なトラブルの代表格だ。



異音の根源は「車体剛性の低下」?スポット溶接の剥がれに注意

異音の原因は足回りのブッシュ(ゴム部品)の劣化や内装パネルの軋みであることも多いが、過去に事故による修復歴がある車両や、過酷なスポーツ走行を繰り返した車両の場合、全く別の部分に原因が潜んでいることがある。

金属疲労が引き起こす「スポット溶接の破断」

自動車のボデーは数千箇所の「スポット溶接」で鉄板同士を接合している。しかし、長年の金属疲労や事故の修復不良によってこのスポット溶接が内部で剥がれ(破断し)、鉄板同士が擦れ合うケースがある。

この「車体骨格(ボデーシェル)の剛性低下」こそが、段差を乗り越えるたびに「パキッ」「ギシギシ」といった不快な金属音(NVH:騒音・振動・ハーシュネス)を発生させる元凶なのである。



職人による異音の特定と「パネルボンド」を用いた再接合

この見えない骨格の剥がれを特定し、完全に修復するためには、高度な診断ツールと特殊な接合技術が必要となる。

「シャシイヤー(電子聴診器)」による走行中の音響診断

車両修理の現場では、「シャシイヤー」と呼ばれる複数のマイクをボデーの怪しい箇所(ピラーの付け根やストラットタワー等)に取り付ける。そして、実際にテスト走行を行いながら、音の発生源をピンポイントで特定していく。

航空機技術を応用した剛性の再構築プロセス

原因となる溶接の剥がれを発見した場合、単に上から溶接し直すだけでは熱で周囲の鉄板を歪ませてしまう。そこで職人は、以下のような最先端の技術を組み合わせて修復を行う。

  • 構造用接着剤の注入: 剥がれたパネルの隙間に、航空機にも使用される超高強度の「構造用接着剤(パネルボンド)」を圧入する。
  • 物理的な締結: 専用のブラインドリベットやMIG溶接を併用し、パネルを再び強固に一体化させる。

謎の異音の正体は、物理的な金属の悲鳴である。その解決には、音響診断のノウハウと、材料力学に基づくボディ剛性の再構築技術が不可欠なのである。