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[連載]準備運動(さいよう)から本番(ていちゃく)まで人材を見つめる!
第5回 応募者を増やす募集要項作成のテクニック
2025/08/08
前回まで、会社の理念や理想の人材像を明確にし、その人材に訴求する魅力的なメッセージを作ることの必要性や具体的手法を書いた。しかし、どんなに良いメッセージが作れたとしても、そのメッセージが対象者の目に触れなくては意味がない。採用活動では「いかに多くの理想の人材“候補〟を集めるか」にも注力しなくてはならない。そのためには、ポイントが2つある。
1. 募集告知の閲覧数を増やす
2. 応募者にアクションさせる
この2つのポイントをクリアすることで、望む人材の応募が劇的に増える。
ポイント① 募集告知の閲覧数を増やす
まず閲覧数であるが、募集告知を応募者の目にとまりやすくするには、ネット検索にヒットしやすくすることが重要だ。マーケティングで言えば、「見込客への訴求」である。これは、ハローワークのような無料の媒体だったとしても必須となる。
ポイント② 応募者にアクションさせる
次に応募者にアクションしてもらうのだが、応募者が実際に応募するという行動に踏み込ませるためには、自分がそこで働くというイメージを強く持ってもらうことが必要となる。人は未知の領域に踏み込むのは怖いものだ。業務内容はもちろん、働く仲間や用意されている環境などを分かりやすく説明することで、不安を払拭し、応募というアクションを後押ししたい。ここで、「閲覧数を増やすためのテクニック」をいくつか紹介したい。
・給与の最低賃金を高くする
応募者が情報検索する際には、検索条件で給与の「最低額」を入力して検索することが多い。すると、たとえばあなたの会社の月額給与が「18~28万円」と記載された場合、最低賃金を「20万円」と記載されたほうの検索には引っかからないことがある。そのため、募集要項に記載する月額給与は、幅を持たせるよりも、「最低額」を高く設定することを意識したい。とはいえ、会社の給与の実態を無視して好き勝手に「最低額」を高くするわけにはいかない。そのため、次の方法を試していただきたい。
・役職別、職種別に複数の応募を出す
これは、ハローワークやindeedなどの無料で使える募集媒体で特に有効なテクニックだが、同じ職種であっても「役職別」に、同じ役職であって「職種別」に複数の募集をすることで、給与の最低金額を段階別に引き上げることができる。たとえば、メカニックという職種の場合、「メカニックアシスタント」、「メカニック」、「チーフメカニック」、「マネージャー」など、それぞれの役職ごとに「〇~□万円」と月額給与を設定することで最低金額が上がり、役職のどれかには引っかかることになる。これによって、未経験者からベテランまで、幅広い応募者に閲覧してもらうことができる。
そして職種名を「整備士」ではなく「メカニック」としたのにも理由がある。若い年齢層を採用したいのであれば、彼らが興味を持ちそうな「新しさを感じる表記」にするのも効果がある。「自動車販売」や「営業」ではなく「カーライフアドバイザー」、「受付」ではなく「レセプショニスト」……といった感じである。
ぜひ試していただきたい。
筆者プロフィール

關 友信(株式会社チームエル)
株式会社チームエル 取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。
株式会社チームエル https://team-l.co.jp/