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【車業界版・今日は何の日】9月5日は「クリーン・コール・デー」!現場で使える顧客トークネタ

真新しい舗装路が残す「ピッチ・タール汚れ」の化学的除去

  • #トピックス

2026/09/05

■ 9月5日は「クリーン・コール・デー」
 9月5日は「ク(9)リーン・コ(5)ール」の語呂合わせから、石炭エネルギーのクリーンな利用と理解を深めるために通商産業省(現在の経済産業省)が制定した「クリーン・コール・デー(石炭の日)」である。
 石炭から作られるコールタールや、石油から精製されるアスファルトは道路舗装に不可欠な物質だが、自動車のボデーケアにおいては、ドライバーを悩ませる最強の頑固汚れ「ピッチ・タール汚れ」として立ちはだかる。



■ 走行中の跳ね上げによる黒い斑点と、硬化のメカニズム
  夏から秋にかけて、炎天下で溶けかかったアスファルト道路や、工事が終わったばかりの真新しい舗装路を走行すると、タイヤが路面の未硬化のアスファルト成分(油分や樹脂成分)を巻き上げ、ドア下部やリヤバンパーに大量に付着する。 付着した直後は柔らかい黒い粘液だが、数日間放置して走行風や直射日光に晒されると、油分が揮発してプラスチックのようにカチカチに硬化する。これが「ピッチ・タール」である。この黒い斑点は、通常のカーシャンプーや高圧洗浄機では全く刃が立たない。一般ユーザーが焦ってスポンジで力任せに擦ったり、コンパウンドで削り落とそうとしたりすると、硬いタールの粒を引きずってしまい、ボデーのクリアコートに深い線キズを無数に刻み込む大惨事となる。


■ 石油系溶剤による還元と、クリア層へのダメージ回避
 鈑金塗装工場やディテーリングのプロフェッショナルは、このピッチ・タールに対して物理的な力(摩擦)で挑むことはしない。必ず「化学的な溶解」というアプローチをとる。
 プロが使用する専用の「ピッチ・タールリムーバー」は、シリコンオフ(脱脂剤)や灯油成分に近い強力な石油系溶剤を主成分としている。これを黒い斑点にスプレー、もしくはウエスに染み込ませて優しく押し当てると、溶剤がカチカチに固まったタールに浸透し、再びドロドロの液状へと溶かし出す(還元させる)ことができる。タールが完全に溶けたのを確認してから、マイクロファイバークロスで撫でるように拭き取るの絶対のセオリーだ。




■ 洗浄後の脱脂とコーティングの再施工
 ただし、強力な石油系溶剤を使用すると、ボデーに元々施工されていたワックスやガラスコーティングの被膜まで一緒に剥がれ落ちてしまう。そのため、タールを完全に除去した後は、施工面の脱脂洗浄を行い、必要に応じて極細目のコンパウンドで表面の肌を整えた上で、コーティングの再施工(トップコートの補充)を行う。
 路面由来の強固な化学物質による汚れには、成分の相性を突いた「溶解」のロジックと、その後の塗装面保護をセットで行うプロフェッショナルなケミカル知識が不可欠である。