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トヨタ自動車、「GRMNカローラ」を世界初公開

2027年内に国内発売へ、ニュルブルクリンクとスーパー耐久で鍛え上げた限定モデル

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2026/06/10

 TOYOTA GAZOO Racing(以下、GR)は2026年6月2日、「GRMNカローラ」を世界初公開した 。GRMNカローラは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げるGR、およびマスタードライバーであるモリゾウの原点であるドイツ・ニュルブルクリンク(以下、ニュル)において、ドライバーが安心して全開で走り切れることを目指して開発された車両である。モリゾウの「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という思いから生まれたGRカローラをベースに、さらなる改良が施されている。
 同車は日本、北米、豪州を中心に台数限定で販売される。日本国内においては2026年秋頃からスマートフォン向けアプリ「GR app」を通して商談に関する申し込み受け付けを開始し、2027年内に発売する予定だ。なお、6月2日から6月28日まで富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで車両展示が行われる。


GRMNカローラ(プロトタイプ。ボディカラーはグラビティブラック)

車両の主な特長と概要

 GRMNカローラは、限界領域でもクルマとドライバーが一体感をもって運転できる性能を追求している。主な変更・進化点は以下の通り。

  • エンジントルクの向上
  • スーパー耐久シリーズへの参戦とニュルでのテストによって鍛えた専用のエアロパーツやサスペンションの採用
  • ニュルでのテストを通した4WD制御の最適化
  • 専用のシート、植毛インストルメントパネルを装備したコクピットへの変更
  • 2シーターのGRMNカローラに加え、GR-DAT搭載5シーターの「MORIZO RR」も開発中


開発背景とベース車へのフィードバック

 同車は、マスタードライバーの豊田章男の「GRMNを名乗るならニュルをしっかり走れるクルマに」という言葉を受け、ニュルで鍛え上げられた。通常のテストコースでは現れない入力や路面変化があるニュルでの走行テストや、日本のスーパー耐久シリーズ(以下、S耐)への参戦、最新のドライビングシミュレーターを活用した検証が行われた 。走行を通じて浮かび上がった課題を一つずつ解決し、限界走行域にいたるまでドライバーとの一体感を高めるつくりとしている。

 同車の開発で得られた知見はベースとなるGRカローラの進化にも活かされている 。2025年9月発表、11月発売モデル(25式後期)のGRカローラにおいて、ボデーの構造用接着剤の塗布を13.9m延長した32.7mとしてボデー骨格を強化したことや、クールエアダクトを装備して高負荷走行時の吸入空気温度の上昇を低減したのは、ニュルでの学びを生かした結果である。


GRMNカローラ(プロトタイプ)

空力性能の向上と足回りの専用チューニング

 S耐やニュルのような高速かつ高Gの環境において車両パフォーマンスを発揮させるため、4輪の接地性を高める専用のエアロパーツが開発された 。フードダクトやフェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、リヤウィングは、S耐に参戦している水素エンジン搭載のGRカローラで培ったノウハウをもとに開発された専用パーツである。5段階の調整機構を設定したリヤウィングの角度は、プロドライバーとの走行テストを通じて最適な仕様が導き出された。

  サスペンションには、専用のモノチューブショックアブソーバーを前後に採用した。コーナリング時の内輪の接地性を高め、高速旋回性能を引き上げるため、ショックアブソーバーにリバウンドスプリングを追加している 。また、ニュルでの走行テストを重ねてバウンドストッパー特性の最適化を行い、前後それぞれのストローク量をmm単位で調整している。さらに、コーナリング時の安定性とブレーキ性能を高めるため、タイヤはベース車に比べて幅を10mm拡げた245/40ZR18のハイグリップタイヤ「Michelin Pilot Sport Cup 2」を装着する。EPS(電動パワーステアリング)は、高いGを受ける旋回時でも適切なアシストトルクを発生できるよう制御プログラムが変更された 。4WDの制御も専用にチューニングされ、直進時のリヤ側トルク配分を最適化し、超高速域におけるステアリング切り始めの安定性を高めている。


GRMNカローラ(プロトタイプ)ハイグリップタイヤ

内燃機関の進化と軽量化された専用コクピット

 水素エンジン搭載のGRカローラによるS耐参戦の知見から、エンジン最大トルクはベース車比+15Nmの415Nmに向上した 。サーキット走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーからの立ち上がり加速に重要な3,600〜4,800rpmの中速域でのトルク向上を図っている。連続した全開走行でも安定した出力を維持するため、クールエアダクトに加え、インタークーラースプレーも装備された。また、軽量化を目的にリヤシートを撤去し、乗車定員は2名、ベース車比で約30kgの軽量化(車両重量1,450kg)が図られている。

 走行性能だけでなく、コクピットも専用につくり込まれた 。シートには、S耐参戦車のドライビングポジションを指標にした専用設計のフルバケットシートを開発し、クラッチ操作を考慮したシート長の微調整や、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の採用による軽量化が行われた。安全性を担保しつつ、日常使いにおける乗降性にも配慮した仕様とし、開発中にはこのシートをS耐参戦車両に搭載してプロドライバーのフィードバックを反映した。

 内装には専用の植毛加工を施したインストルメントパネルおよびフロントピラートリムを採用し、助手席側のインストルメントパネルにはトヨタ自動車元町工場のカーボン課が開発・製造するカーボン製オーナメントとモリゾウのサイン入りパッドが施されている 。ドアトリムやシフトノブにはアルマイトレッドの差し色を配し、GRMN専用シリアルナンバープレートも装備される。


GRMNカローラ(プロトタイプ)エンジンルーム

 


GRMNカローラ(プロトタイプ)コクピット

主要諸元(社内測定値)

GRMNカローラ

(プロトタイプ・日本仕様)

全長 mm

4,410

全幅 mm

1,850

全高 mm

1,475

ホイールベース mm

2,640

トレッド(フロント・リヤ) mm

1,590・1,620

乗車定員

2

車両重量 kg

1,450

エンジン型式

G16E-GTS

総排気量 cc

1,618

種類

直列3気筒インタークーラーターボ

内径×行程 mm

87.5×89.7

最高出力 kW

224

最大トルク N・m

415

トランスミッション

iMT(6速マニュアル/クロスミッション)

駆動方式

GR-FOUR(アクティブトルクスプリット4WD)

サスペンション

フロント:ストラット式コイルスプリング/リヤ:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング

アブソーバー

フロント:倒立モノチューブ(リバウンドスプリング内蔵)/正立モノチューブ(リバウンドスプリング内蔵)

ホイール

鍛造マットブロンズ(GRロゴ入り)

タイヤ

245/40ZR18 MICHELIN PILOT SPORT CUP 2

コンセプトモデル「GRカローラMORIZO RR」の展示と企業姿勢

 GR-DATを搭載した5シーターモデルとして「GRカローラMORIZO RR」が現在開発中である(発売は未定)。同モデルはコンセプトモデルとして、GRMNカローラとともに6月2日から6月28日まで富士モータースポーツフォレスト ウェルカムセンターで展示される。


GRカローラMORIZO RR