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【車業界版・今日は何の日】9月27日は「世界観光の日」!現場で使える顧客トークネタ
郊外のドライブを襲う「アニマルストライク」とコアサポート損傷
2026/09/27
■ 9月27日は「世界観光の日」
今日は、1970年9月27日に世界観光機関(UNWTO)憲章が採択されたことを記念して制定された「世界観光の日」。
秋の行楽シーズン、レンタカーやマイカーで自然豊かな山間部や郊外の観光地へロングドライブに出かける機会が増える。ここでドライバーが遭遇する予測不能なトラブルが、道路に飛び出してきた鹿やイノシシなどの野生動物と衝突する「アニマルストライク(動物衝突事故)」である。
■ 衝撃吸収をすり抜ける「動物の質量」とラジエーター直撃
時速60km以上で体重数十キロの動物と衝突した場合、車体が受ける運動エネルギーは極めて大きい。しかし、ドライバーが車から降りて損傷を確認すると、「フロントバンパーが少し割れて、毛が付着している程度」と軽傷に錯覚することが多い。 これがアニマルストライクの恐ろしい罠である。
自動車のフロントバンパーの内部には、衝突安全のための強固な金属の梁(バンパーリインフォースメント)が存在するが、動物のような柔らかく質量のある物体と衝突した場合、その衝撃はこの梁の上を乗り越えるようにして、車体内部の奥深くへと波及する。
■ 「コアサポート(骨格)」の変形と冷却水漏れ
結果として、バンパーのすぐ裏側にある「ラジエーター」や「エアコンコンデンサー」、そしてそれらを固定している車両の最前部の骨格「ラジエーターコアサポート(アッパー/ロア)」が後方に「くの字」に折れ曲がっているケースが多くある。コアサポートが押されると、ラジエーター本体に亀裂が入り、冷却水(LLC)が漏れ出す。これに気づかず走行を続けると、エンジンがオーバーヒートを起こし、完全に焼き付いてしまう。
■ 3D寸法計測と溶接パネルの切継ぎ
鈑金塗装工場では、アニマルストライクの車両が入庫した際、外装のダメージに惑わされず、すぐにボンネットを開けてコアサポートの「対角寸法」を計測する。コアサポートはボルト留めされている車種もあるが、多くの車種では車体フレームに直接スポット溶接されている「重要骨格(修復歴の対象)」である。
変形が著しい場合、フロント周りの部品をすべて取り外し、スポット溶接を削り落としてコアサポートを切り離し、新品の骨格を溶接し直すという大掛かりなフレーム修理が実行される。野生動物との衝突は、単なる外装破損ではなく、車の心臓部を守る骨格と冷却システムを破壊する重大事故として対応する必要がある。