JOURNAL 

原価・作業内容の透明性を確立し、 自動車アフターマーケット市場での "対等なパートナー"を育てる

自動車コムレード代表・松尾 勲氏 インタビュー

  • #インタビュー

2026/10/02

松尾 勲氏

 自動車整備及び車体整備事業者、部品商、見積りシステムメーカーなどの異業種が対等に学び合う新たな組織として「自動車コムレード」が発足。
 創業76年の平尾自動車工場を経営する松尾勲社長が代表を務める同団体は、同氏が福岡県自動車整備振興会青年部長として8年を経験した後に業種や立場を越えた情報共有の必要性を感じ、5人の発起人で機動的に立ち上げた。松尾代表に設立の背景と目指す未来を聞いた。


̶̶なぜ今、新たな団体を立ち上げたか

 自動車整備振興会青年部を卒業すると、かつて交流があった人との接点が減り情報交換の場がなくなっていた。この状況が率直にもったいないと感じており、青年部長を退いた後も業種を越えた学びの場を求める声が絶えなかったこともあり、当団体を立ち上げるに至った。設立メンバーは意思決定の速さを重視し、あえて少人数で進めた。
 自動車整備事業者と車体整備事業者が交わる場は少なく、実際に機会を作ろうとしても他業種と連携する動機が生まれにくい組合同士の構造差がある。そこへ輪を掛けるように、親会と青年部、元請けと下請けなど、それぞれの立場を越えて対等に学び合える場はまだ多くなかった。元請けも下請けもともにそういった立場で学び合えば、相乗効果が生まれると確信していた。


̶̶どのような学びを推進していきたいか

 現在、車体整備事業者はレーバーレートや工数の内訳を徹底的に研究している。自動車整備事業者においても、BM問題以降一律にレーバーレートを引き上げるのではなく、なぜ上げるのかという原価構造を理解しなくてはいけないという危機感を持っている。この構造を充分に理解した上で透明性を確保し、損保会社のためではなくエンドユーザーであるカーオーナーへの説明責任を果たすべきである。
 エンジンのオーバーホール作業であっても“開けた”という作業写真がなく、“した”という事後報告だけのケースも依然として多い。不可視の作業にこそ記録が必要であり、自動車整備や鈑金塗装、コーティング、ロードサービスを問わず、すべてのサービスにエビデンスの提示を標準化すべきだと考えている。


̶̶今後、どのように拡大していくか

 九州地方では県によって既存の自動車関連団体の加盟数に差がある。そのため、特定の地域だけに目を向けるのではなく県境や地方を越えた広域的な連携を構想している。団体としての軸や方向性はしっかりと定義しつつ、様々な業種の方々に加盟していただき仕組みを一から作っていく。
 今後は年4回以上のセミナーを皮切りに、懇親会などの交流の場も組み合わせながら、多様なコミュニケーション手段を模索する方針である。自動車アフターマーケットにおける業種や立場の垣根を越え、価格の根拠と記録の標準化で顧客の信頼と適正な利益を共創する。自動車コムレードの挑戦に共感する事業者は、ぜひ問い合わせていただきたい。


8月29日の設立セミナーには50人を超える参加者が来場した
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