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デンソー、令和8年度全国発明表彰で「発明賞」を受賞
EVの走行中除霜を可能にするヒートポンプ活用熱マネジメントシステムが評価
2026/07/06
デンソーは、公益社団法人発明協会が主催する令和8年度全国発明表彰において、「EVの走行中霜取りを可能とするヒートポンプを活用した熱マネジメントシステムの発明」(特許第7392296号)に関する技術開発が評価され、「発明賞」を受賞した。なお、表彰式は2026年6月15日にThe Okura Tokyo(東京都港区)にて開催された。
全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的に、多大な功績を挙げた発明や考案、意匠などを表彰する制度。今回デンソーが受賞した「発明賞」は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、顕著な実施効果を上げている発明などを対象としている。
開発の背景と従来技術の課題
今回受賞した「EVの走行中霜取りを可能とするヒートポンプを活用した熱マネジメントシステムの発明」は、EVにおけるヒートポンプ暖房(外気中の熱を取り込み、電力を使って効率的に車内を暖める暖房方式)時の室外器(車両前方等に配置され、外気との間で吸放熱を行うラジエーター)への着霜(低温環境下で空気中の水分が冷たい部品表面に付着し、霜として凍りつくこと)による効率低下及び冬季の航続距離低下という課題に対し、車両全体の熱を有効活用しながら、放熱部への冷水供給における急激な温度変化(ヒートショック)を抑制する新たな技術により、走行中の除霜(付着した霜を取り除くこと)の実現につなげたものである。
従来は、除霜運転能力が限られ、駐車中のプレ空調時などにしか充分な除霜ができず、着霜環境下では航続距離が著しく低下していた。また、温水供給による除霜を行う場合は、放熱部へ冷水が戻ることでヒートショックによる損傷が起きることが課題となっていた。
発明技術の特徴と得られる効果
同発明では、通常の暖房時の水の流れから除霜用の流れへ切り替える際に、放熱部への冷水の流量を適切に制御し、異なる温度の水を混合しながら水温を段階的に調整することで、ヒートショックの緩和を実現する。さらに、その後段階的に温水供給量を増やすことで、安定的な除霜性能を確保する。
これにより、走行中の除霜を可能とし、着霜環境下において電動車の航続距離を約20%向上することを実現している。また同技術は、電池加熱や暖房性能向上などにも応用可能であり、EVの機能向上に幅広く寄与することが期待される。
同社は今後も、車両全体での効率的なエネルギーマネジメントを追求し、環境にやさしいモビリティ社会の実現に取り組む方針だ。
受賞者
同賞の受賞者は次の通りである。
- 加藤 吉毅(株式会社デンソー サーマルシステム開発1部 担当次長)
- 牧原 正径(株式会社デンソー サーマルコンポーネント技術1部 担当課長)
- 前田 隆宏(株式会社デンソー サーマル社会ソリューション開発部 課長)
- 谷岡 邦義(株式会社デンソー サーマルマネジメントシステム技術1部 担当係長)
- 岡村 徹(岡村アセットマネジメント合同会社 代表社員/元株式会社デンソー)
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