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ホンダZR-V(RZ3・4・5・6)の特徴は? BP・整備・車販のポイントは?【売りたい車図鑑】

シビックをベースとしたセダンライクなSUV。1.5Lガソリンターボと2.0L「e:HEV」を設定

  • #特集

2025/01/15

【車両の特徴】

 30歳代の子育てファミリーや50歳代以上のエンプティネスター(子離れ家庭)の男性をメインターゲットとしたCセグメント(ミッドサイズ)クロスオーバーSUV。日本市場では「CR-V」の実質的後継車として、2022年11月17日に発表、2023年4月21日より販売を開始した。

 同年10月12日には、内外装の各所にブラックのアクセントを施した特別仕様車「ブラックスタイル」を発表。翌2024年夏に発売している。

ホンダZR-V e:HEV Z(4WD)。撮影車両のボディカラーはR-578Mプレミアムクリスタルガーネット・メタリック

 主要メカニズムの多くを現行11代目シビック(FL1・4・5)と共用しており、ボディ・シャシーは「新世代プラットフォーム」をベースとする。

 パワートレインは1.5L直列4気筒ガソリン直噴ターボエンジン+CVTと、2.0L直列4気筒NA(自然吸気)アトキンソンサイクルエンジン+2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」の2種類を設定。

 いずれも現行11代目シビックに準じた最新仕様になっているが、1.5Lターボは車両の性格に合わせてレギュラーガソリン仕様(シビックはハイオクガソリン仕様)とされている。駆動方式は双方ともFFと4WDが全グレードで選択可能だ。

リヤまわりもフロントと同じく欧州プレミアムブランドのSUVを彷彿とさせるデザインとなっている

 セダンライクなデザイン・走り・パッケージングを重視して開発されたZR-Vは、シビックに対し全長を10mm、全幅を40mm、全高を205mm、最低地上高を55m拡大。その一方でホイールベースを80mm短縮し、最小回転半径を0.2m小さい5.5mに改善した。

前席はヒップポイントの落とし込みが不足しており、座面がやや小ぶりに感じられる。後席はシートサイズが大きく膝まわりの空間にも余裕があり、ヘッドクリアランスも必要充分レベル。写真は「e:HEV Z」で選択可能なマルーン本革内装

 荷室容量はシビックと同等レベルの385~408Lを確保している。

 内外装のデザインは、ホンダ最新のデザインフィロソフィを踏まえ、シンプルかつ上質なテイストを踏襲。とりわけインパネはシビックとの共通点が多いものとなっている。

席をたたんでも床面がほぼフラットなうえ、開口地上高が695mmと低く、重く大きい荷物でも出し入れが容易なラゲッジルーム。奥行き×幅×高さは890~1590×1030~1415×745mm(メーカー公表値)。床下収納は同40~60×600×275mm(筆者実測)で、小物が入れられる程度

【撮影車両主要諸元】

●グレード・型式
 e:HEV Z(4WD)・6AA-RZ6
●全長×全幅×全高
 4570×1840×1620mm
●ホイールベース
 2655mm
●最低地上高
 190mm
●車両重量
 1630kg
●乗車定員
 5人
●エンジン種類・排気量
 直列4気筒DOHC・1993cc
●エンジン最高出力
 104kW(141ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク
 182Nm(18.6kgm)/4500rpm
●モーター最高出力
 135kW(184ps)/5000-6000rpm
●モーター最大トルク
 315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm
●WLTCモード燃費
 21.5km/L(総合)
 19.5km/L(市街地)
 23.9km/L(郊外)
 21.1km/L(高速)
●燃料種類・タンク容量
 無鉛レギュラーガソリン・57L
●最小回転半径
 5.5m
●サスペンション(前/後)
 ストラット/マルチリンク
●ブレーキ(前/後)
 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤサイズ(前後)
 225/55R18 98H
●車両本体価格
 437万9100円
●装着メーカーオプション
 R-578Mプレミアムクリスタルガーネット・メタリック(6万500円)
●装着ディーラーオプション(価格は取付工賃別)
・ドライブレコーダー(前後車内3カメラセット。6万7100円)
・フロアカーペットマット(プレミアムタイプ。5万5000円)


(文・写真=遠藤正賢)

シビックなどと同じく水平基調のシンプルかつモダンなデザインを採用した運転席まわり。フロントピラーの傾斜は緩いものの各ガラスは天地方向に小さく、実際の視界もやや狭く感じられる