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シネマエンドレス「落下の解剖学」
事故か、自殺か、殺人か。疑念の中に落ちていく―
2024/03/05
あらすじ
人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。初めは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障害のある11歳の息子だけ。捜査が進み、検察はサンドラを起訴する決断を下す。やがて裁判が幕を開けると、証人たちや検事から次々と夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ<真実>が現れるが――。事件の真相を追っていくうちに、観る者は想像もしなかった人間の深淵に、登場人物たちとともに〈落ちて〉いく。そこでは、あらゆる価値観が覆され、愛と信頼の意味さえ解体されていく。そして最後に突き付けられるのは、あなた自身を映し出す鏡──今、現代を抉る新たな傑作が誕生した。
2023年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた本作は、日本時間3月11日に発表される第96回アカデミー賞でも作品賞を含む5部門でノミネートされており、その動向に注目が集まっている。
筆者の推しどころ
パルムドール受賞も納得の独特な緊張感が凄まじい1本。本当に妻は夫を殺したのか、それとも事故か自殺か。前半は弁護士と検証を行っていく自宅パート。後半は検事や証言者を相手にした法廷パートで構成される本作。どちらのパートも重要視されるのは音であり口から出てくる言葉。法廷もののお約束でもある回想シーンを使わずに、実際の裁判同様に言葉が中心に進むため証言の数だけ真実が作られていく。やがて妻や夫に関する証言や証拠などが明かされると、夫婦の葛藤と理想と欲求が複雑に絡み合う関係性が浮かび上がり、観客も陪審員の一人になったかのように頭を悩ませるだろう。
そして特筆すべきは役者たちの演技。アカデミー賞主演女優賞ノミネートのサンドラはもちろん、特に注目してほしいのは犬。ネタバレになるので多くは言えないが、AIか人形なのかと疑いたくなるほど度肝を抜く演技なので、筆者のような無類の犬好きは必見である。カワイイんだ、犬。
監督:ジュスティーヌ・トリエ
配給:ギャガ
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