JOURNAL 

マツダCX-60(KH系)の特徴は? BP・整備・車販のポイントは?【売りたい車図鑑】

FRベースの新開発プラットフォーム「スカイアクティブマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を初採用

  • #特集

2023/12/26

【車両の特徴】
 CX-5からの上級移行を志向するカーオーナーをメインターゲットとした、Dセグメント(ミドルラージサイズ)のクロスオーバーSUV。2022年9月15日、T3-VPTH型3.3L直列6気筒直噴ディーゼルターボエンジン+48Vマイルドハイブリッド「eスカイアクティブD 3.3」を搭載する「XDハイブリッド」モデルを発売。その他のモデルを同年12月以降、順次販売開始した。

マツダCX-60 PHEVプレミアムモダン。撮影車両のボディカラーは51Kロジウムホワイトプレミアムメタリック

 その後、2023年8月1日、価格改定(値上げ)を実施。同時に「PHEV Sパッケージ」グレードの廃止や装備体系の見直しも行われた。

FRを基本とするためフロントオーバーハングが短くリヤオーバーハングが長いバックシャンなスタイルに

 フロントエンジン縦置き・後輪駆動を基本とする新開発のプラットフォーム「スカイアクティブマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を初めて採用。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤがマルチリンク式で、横Gが強めにかかる旋回中にリヤ内輪側へわずかにブレーキをかけることでロール量を抑える「キネマティック・ポスチャー・コントロール」が「ロードスター」に続いて実装されている。

日本らしい上質さを強く打ち出した「プレミアムモダン」の運転席まわり。ボンネット全体が見えるため車両感覚は非常に掴みやすい

 エンジンは、138kW(188ps)と250Nm(25.5kgm)を発するPY-VPS型2.5L直列4気筒ガソリンNA(自然吸気)「スカイアクティブG 2.5」を搭載した「25S」と、170kW(231ps)と500Nm(51.0kgm)を発する新開発のT3-VPTS型3.3L直列6気筒ディーゼルターボ「スカイアクティブD 3.3」を搭載した「XD」を基本とする。

 また、前者(エンジン型式はPY-VPH型)に129kW(175ps)と270Nm(27.5kgm)を発するMS型モーターを組み合わせたマツダ初のプラグインハイブリッドシステム「eスカイアクティブPHEV」を搭載した「PHEV」、後者のエンジン性能を187kW(254ps)&550Nm(56.1kgm)としつつ(エンジン型式はT3-VPTH型)、12kW(16.3ps)&153Nm(15.6kgm)のMR型モーター、48Vマイルドハイブリッド「Mハイブリッドブースト」を組み合わせた「eスカイアクティブD 3.3」を搭載する「XDハイブリッド」、2つの電動モデルも設定する。

 なお、これらのエンジン全てに、新開発のトルクコンバーターレス8速ATが組み合わされる。

前後席とも座面がやや短く、クッションはやや硬めながら、ヒール段差が充分に確保されているためフィット感は良好。後席空間は、サンルーフ付きの撮影車両(「PHEVプレミアムモダン」は標準装備)でもヘッドクリアランスが約10cmあり、ニークリアランスも15cm程度と、必要充分レベル

 エクステリアは「魂動」(こどう)デザインを踏襲しつつも、FR車らしいロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを構築。インテリアも太いセンターコンソールを持つFR車らしい設計としつつ、「プレミアムモダン」では白を基調とした日本車らしい落ち着きと匠の技、「プレミアムスポーツ」ではタンを基調とした高級スポーツカーのようなアクティブさと豪奢さを兼ね備えた仕立てとするなど、独自の上質感を体現している。

【撮影車両主要諸元】
●グレード・型式
 PHEVプレミアムモダン(4WD)・5LA-KH5S3P
●全長×全幅×全高
 4740×1890×1685mm
●ホイールベース
 2870mm
●最低地上高
 180mm
●車両重量
 2090kg
●乗車定員
 5人
●エンジン種類・排気量
 直列4気筒DOHC・2488cc
●エンジン最高出力
 138kW(188ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク
 250Nm(25.5kgm)/4000rpm
●モーター最高出力
 129kW(175ps)/5500rpm
●モーター最大トルク
 270Nm(27.5kgm)/400rpm
●燃料種類・タンク容量
 無鉛レギュラーガソリン・50L
●バッテリー種類
 リチウムイオン電池
●バッテリー総電力量
 17.8kWh
●WLTCモードハイブリッド燃費
 14.6km/L(総合)
 11.1km/L(市街地)
 15.7km/L(郊外)
 16.0km/L(高速道路)
●WLTCモード充電電力使用時走行距離
 74km
●WLTCモードEV走行換算距離
 75km
●WLTCモード交流電力量消費率
 247Wh/km(総合)
 237Wh/km(市街地)
 218Wh/km(郊外)
 218Wh/km(高速道路)
●一充電消費電力量
 16.67kWh/回
●最小回転半径
 5.4m
●サスペンション(前/後)
 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
●ブレーキ(前後)
 ベンチレーテッドディスク
●タイヤサイズ(前後)
 235/50R20 100W
●車両本体価格
 626万4500円(価格改定後は646万2500円)
●装着メーカーオプション
 設定なし
●装着ディーラーオプション(価格は取付工賃込み)
・フロアマット(プレミアムプラス。8万8880円)
・セレクティブキーシェル(ロジウムホワイトプレミアムメタリック。1万9800円)


(文・写真=遠藤正賢)

4:2:4(廉価グレードは6:4)分割式の後席背もたれを倒すと、若干傾斜が残るもののほぼフラットな荷室が得られる。床下にはボーズサウンドシステムのウーファーが搭載される。荷室長×幅×高は92~170×113×76cm(筆者実測)