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ネッツトヨタ富山、塗装費用を過大請求 1,126件
2023/12/25
ネッツトヨタ富山は、2023年12月22日、鈑金塗装修理において実際の作業内容と異なる請求を行っていたことが、社内調査で分かったと発表した。不適切な請求が行われたのは、2021年9月から2023年10月に施工した5,899台のうち、1,126台。
不適切な請求となったのは2種類。
1:塗装を溶剤系塗料で行ったが、工数の計上は溶剤系よりも大きい水性塗料で行っていた
2:セルフリストアリングコートなどの高機能塗装を施工すべきところを通常のクリヤー塗装を行っていた
1の溶剤系と水性の違いによる請求は差額を返金し、2については本来の仕様に合わせたクリヤーを再施工するとしている。
このところ、トヨタ系ディーラーで請求書の内容と異なる作業を行っていたという発表が相次いでいる。それも、高機能塗装関連と、水性塗料と溶剤系塗料の取り違えと内容が同じである。
・2023年10月、札幌トヨペット(1,417件)
・2023年10月1日、ネッツトヨタ千葉(1,687件)
・2022年12月20日、ネッツトヨタ茨城(件数未発表)
・2023年6月2日、トヨタカローラ静岡(124件)
・2023年7月、沖縄トヨタ自動車(1,290件)
実は、少し古いが2020年2月5日にはトヨタモビリティ東京というトヨタの直営店でも同様の問題が生じていた。
現場をかばう訳ではないが、セルフリストアリングコートなどの高機能塗装は、塗色コードだけでなく、車台番号によって管理されており特定が難しいこともあり、錯誤が生じやすい。見積り担当者が理解していても、塗装技術者がこの車両は普通のクリヤーだと思い込んでいたりすると、こうした過ちが生じてしまう。
水性塗料についても、冬季の低湿、低温環境では従来の加温するだけの塗装ブースでは乾燥速度のコントロールが難しく、仕上がり品質に問題が生じることが懸念されるため、あえて溶剤系を選択する場合がある。こうした現場の判断が請求書に反映されていなければ、過大請求になってしまう。
いずれも、現場と見積り担当者や管理職との間で連携が取れていない場合に生じやすい。
この問題で気になるところは、トヨタが直接運営している工場で生じていた過ちが、資本関係がない一般の販売店で再生産されていることにある。カイゼンを旨とする同社らしからぬ失敗ではないか。これは、同社の能力不足ではなく、認識の問題ではないだろうか。トヨタは今般の状況について、1販売店のこととして、他人事にしてはいないだろうか。一般のカーオーナーにとって、トヨタディーラーに修理を依頼するということは、メーカーの指針に沿って正しく修理されることを期待しているはずだ。
時代が自動運転に向かい、ドライバーの運転への関与が減っていくにつれて、事故などの有事において、車両のメンテナンス状態が厳しく問われるようになることは、カーメーカー自身が一番実感しているはずである。高々塗装の作業内容ですら、管理できないようでは自動運転社会の未来は暗いと言わざるを得ない。
トヨタ本社
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