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窒化ガリウムをインバーターに用いた「GaNビークルスポーツタイプ」などを展示【エコプロ2022・環境省】
セルロースナノファイバー(CNF)を多用した「ナノセルロースヴィークル」(NCV)も注目の的に
2023/01/24
2022年12月7~9日に東京ビッグサイトで開催された、環境関連の展示会「エコプロ2022」(主催:サステナブル経営推進機構、日本経済新聞社)。
環境省は、「All GaNビークルプロジェクト」の一環として製作された、スマート・フォーツーカブリオをベースに窒化ガリウム(GaN)を用いたインバーターを搭載した「GaNビークルスポーツタイプ」のほか、「NCVプロジェクト」の一環として、内外装にセルロースナノファーバー(CNF)を多用して製作された「ナノセルロースヴィークル」(NCV)などを展示した。
GaNビークルスポーツタイプ。フロントバンパー・グリルは独自デザイン
青色LEDの材料として知られているGaNを半導体デバイスに用いると、現在主流となっているシリコン(Si)を用いた半導体デバイスよりも熱伝導や高速性に優れ、エネルギー損失を大幅に低減できるため、CO2排出量削減や小型軽量化に寄与することが期待されている。
GaN半導体デバイスの主なメリット
今回展示された「GaNビークルスポーツタイプ」は、東京モーターショー2019に出品された「ブルービークル」よりもGaNの使用範囲は少なく、GaNインバーターモジュールを3個使用し50kWの高出力を実現した新開発のインバーターを搭載するのみだが、Si半導体デバイスを用いた場合よりもエネルギー損失が約20%低減される見込みだという。
「All GaNビークルプロジェクト」では今後、製作した車両のナンバーを取得して公道実験を行い、4年後の量産化を目指す計画。
GaNビークルスポーツタイプ
もう一台のNCVは、2016~19年に実施された「NCVプロジェクト」を通じて製作されたモデル。
CNFとは、植物から取れるセルロースを化学的・機械的処理により数~数十ナノメートルに微細化したナノ繊維。植物由来の素材のため環境に優しいうえ、鋼鉄の1/5の軽さで5倍の強度を持ち、比表面積は250m2/g以上、線膨張率はガラスの1/50程度と、性能面でも優れている。
このCNFを内外装に多用することで、NCVは鋼板で製造した場合と比較して、16%の軽量化と11%の燃費低減、8%のCO2排出量削減を実現している。
ナノセルロースヴィークル
ミッドシップスーパースポーツカー然としたプロポーションと、木材由来の素材感を前面に押し出した和風の豪奢なインテリアを兼ね備えたNCVは、東京モーターショー2019に出品された際と変わらず、学生だけではなく大人からも幅広く注目を集めていた。
(文・写真=遠藤正賢)
外装と同様にCNFを多用したナノセルロースヴィークルのインテリア
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