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増加傾向にある大型車車輪脱落事故の原因と対策は? 2024年10月のOBD検査開始で大型車の点検整備はどうなる?【ジャパントラックショー2022:国土交通省自動車局整備課】
ISO方式の大型車ではボルトのみならずナットやワッシャーの摺動部にも潤滑剤の塗布が不可欠
2022/05/12
2022年5月12~14日の日程でパシフィコ横浜にて開催中の、トラック・輸送業界の展示会「ジャパントラックショー2022」で、総計約40本が公開予定の講演・ワークショップ。
「OBD検査及び大型車の車輪脱落防止対策について」には、国土交通省自動車局整備課の宮坂優斗専門官が登壇。特定整備など近年の制度改定および大型車車輪脱落事故の現状について解説した。
国土交通省自動車局整備課の宮坂優斗専門官
まずOBD(車載式故障診断装置)そのものとOBD検査、特定整備制度の概要を説明したのち、OBD検査の詳細を説明。実際のOBD検査の流れにおいては「認証工場は運輸支局などに車両を持ち込む前に、スキャンツールを用いた『OBD確認』が必要になる」と注意を呼びかけている。
指定工場におけるOBD検査作業の流れ
大型車車輪脱落事故については、ベビーカーを押す男性を模したダミー人形の背後から車速60km/h時点で脱落した車輪が衝突する実験の様子を収録した動画を披露。腰部を直撃したのち頭部もタイヤに衝突し、その後ベビーカーもろとも4m以上跳ね飛ばされ、脚部も大きな衝撃を受けるなど、人命に関わる事態となることを生々しく記録していた。
大型車車輪脱落による歩行者衝突事故実験の様子。ダミー人形に取り付けたセンサーからは肋骨、頭蓋骨、大腿骨の骨折や脊椎損傷、両膝の脱臼も計測されている
その後、大型車車輪脱落事故の統計データを分析。2015年度以降増加傾向にあり、事故を起こした車両は全てトラックで、時期は冬期、場所は東北地方、大型車ユーザー自ら冬用タイヤへ交換した後に多く発生している傾向を紹介した。
大型車車輪脱落事故のタイヤ脱着作業実施者・作業内容および車輪脱落箇所別発生件数
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