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JFEスチール・イイダ産業、樹脂を活用した超高張力鋼板製のエネルギー吸収構造を開発
前後サイドメンバーなどの骨格部品に適用可能、振動吸収による乗り心地改善効果も
2021/04/01
JFEスチールとイイダ産業は2021年3月2日、自動車のスチール製骨格部品に樹脂を活用したマルチマテリアル構造により、超高張力鋼板を自動車のエネルギー吸収部品に適用可能とする構造を開発したことを発表した。
新開発の構造は、1180~1470MPa級の超高張力鋼板を外側、厚さ1.4mm以下の薄肉鋼板を内側として、イイダ産業が開発した高延性・高密着性樹脂をサンドイッチするというもの。
樹脂を活用した超高張力鋼板製のエネルギー吸収構造のイメージ図
これにより、車両衝突時にエネルギー吸収部品が座屈・曲げ変形する際の、変形部の曲げRが大幅に拡大し、超高強度鋼板部品が破断しなくなるため、エネルギー吸収性能が大幅に向上。衝突時に変形することで衝撃を吸収する、前後サイドメンバーなどの骨格部品に適用可能としている。
フロントサイドメンバーモデル部品による母材破断抑制効果の比較実験写真
なお、590MPa・厚さ2.0mmの部品と比較した場合、同一重量のマルチマテリアル化した1470MPa・厚さ1.4mm部品のエネルギー吸収性能は53%向上し、エネルギー吸収性能が同等の場合は25%の軽量化が可能。さらに、走行時に発生する振動を樹脂が吸収することで、乗り心地の改善にも寄与する効果も見込まれている。
そのため両社は、エンジンを搭載しないことで、ボデー前後が短くなり高いエネルギー吸収能力が求められるうえ、パワートレイン以外から発生する振動が目立つ傾向にある、EVなどへ同構造を適用していくことも視野に入れ、自動車メーカーとの共同開発を進めていく計画。
新構造によるエネルギー吸収性能および軽量化効果比較グラフ
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