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新型LSに新塗色「銀影ラスター」を採用
2021/01/15
トヨタ自動車は11月19日、LS(A5#、F5#系)の改良を発表し、新たな塗色として「銀影(ぎんえい)ラスター」(1L3)を採用した。
新車時の塗膜構成は下から順に、中塗り、ブラック、薄膜蒸着アルミベース、クリヤーの4層からなる。色の質感は、正視では磨き込んだ金属のようで、なおかつ鏡のように顔料の粒子感をほとんど感じさせない滑らかな仕上がりだ。一方、スカシは薄膜蒸着アルミ層の下にあるブラックが透過し、光が当たる個所では正視と同じく金属の表面のように強く反射し、光が当たらない個所は深く沈んだように暗く見える。このようにコントラスト差が大きく、ボデーの微妙な曲線やプレスラインを際立たせる塗色である。
技術的な特徴として、薄膜蒸着アルミ層の光輝材(蒸着アルミ)を高い密度であたかも敷き詰めるように平滑に並べたことにより同塗色を実現している。
これは同社の「ソニック工法」を応用したものである。右上の塗膜の断面図が示す通り、塗膜の中に同数の光輝材があると仮定した場合(実際塗料は撹拌されており、液中に均等に分散する)、膜厚を薄くすることによって物理的に光輝材が適正に配向しやすくなっている。
同時に、薄膜蒸着アルミ層は完全に下地のブラックを隠ぺいする濃度ではないため、スカシでは下地の反射光が透過して見え、ハイライトとシェードの明度差が生まれている。
こうしたシルバーメタリックは銀影ラスターが初めてではない。ソアラ(Z40系)やSC(Z40系)に採用されたコスモシルバー(1F1)は、8コート6ベークという工程もさることながら、黒色のベースコートの上に平滑なアルミ顔料をすき間なく配列させることで、正視からは金属のような強い反射を、スカシではベースコートの黒色が透過するようになっていた。銀影ラスターはかつての技術が下地にあると見られる。
銀影ラスターの補修塗装については、徐々に各塗料メーカーから配合情報が出始めている。新車塗膜ではともに黒い下塗りに銀色の光輝材を重ねるところが同じ手法であったコスモシルバーの場合、一部の塗料銘柄では下地に黒を敷いてから、シルバーメタリックを塗装するという実質3コートパールと同じ塗膜構成となる場合があったが、銀影ラスターについては今のところ通常のメタリックと同様の工程となるようだ。
補修塗装の場合、新車塗装よりも厚膜になることは避けられないこともあり、膜厚を薄くすることで配向を整えることが難しい。そうなれば、希釈率を高めてウエットで塗装するのが一般的かもしれないが、粘度が下がり過ぎても対流や流動が生じて、こちらもまた配向の乱れにつながる。希釈率を高め複数回に分けて塗装する指示が出ている場合は、希釈率を守ったほうが良いだろう。
このほか、LSには新塗色としてソニックイリジウム(1L2)が設定された。この塗色は、2019年11月5日にマイナーチェンジしたISで初採用された塗色だ。この塗色にもソニック工法が採用されている。
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