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    2コートソリッドのぼかし塗装

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    2022/11/25

    Q

    質問者
    TMさん

     いつも勉強させて頂いております。今回は輸入車の2コートソリッドに関して質問です。
     対物賠償においてドア交換をした際、保険会社から前後のぼかしは過剰賠償だとの通告が来ました。パネル交換の場合2コートソリッドであっても隣接パネルと全く同じに仕上げることは難しく、「美観の回復」からもぼかし塗装は充分賠償の範囲かと思います。パネル交換時の2コートソリッド塗装について「ぼかしを認める根拠」、或いは「ぼかしを認めない根拠」となる資料などはありませんか?

    A

    回答者
    プロトリオス

     ご質問ありがとうございます。輸入車の2コートソリッドのぼかし塗装について回答させて頂きます。まず、最初に、国産車・輸入車で補修塗装指数の運用に変化がない事をお断りしておきます。

     ご存知かと思いますが、『指数テーブルマニュアル』(2022年10月発行)に、ぼかし塗装に関わるもので以下の記載があります。

    ・ぼかし塗装(一部抜粋)
    ソリッド以外の塗膜(メタリック、2コートパール、3コートパール)の場合、フェンダやドアなど境界線で区切られている隣接パネルへカラーベースを徐々に薄くなるように塗装する事で、取り替えたパネルとそうでないパネルの色味の違いをわかりにくくするための行う作業です。

    ・塗膜加算(同上)
    ソリッド以外では発生しないぼかし塗りに関する作業(マスキングの増加分、ぼかし塗り作業、ぼかしパネルのみがき作業等)やコート数(パールベース、クリヤ)の増加作業量分をとりまとめたもので、ソリッド以外の塗膜に設定しています。

    ・Q&A
    Q.ソリッド塗装の場合には損傷範囲、損傷場所にかかわらず、隣接パネルへのぼかしは必要ないと考えてよいですか?
    A.ソリッド塗装は、溶接パネルを除く隣接パネルへのぼかしは必要ないと考えています。

     以上のような理由から保険会社は、認めなかったのではと考えられます。ただし、明らかに色の差が出る様な状態、例えば、測色機や色差計を用いて、隣接パネル平均値で調色したとしても、明らかに色に差が出るような状況であれば、交渉の余地はあるかもしれません。
     ご指摘の通り、近年はソリッドでも丁寧な仕上げが必要なカラーも多くあります。隣接パネルと同じ状態に仕上げるのが難しいという事もあるかと思います。特に、輸入車ではその兆候が顕著ではないでしょうか。さらに、ソリッドカラーも調色そのものが難しくなっている傾向もあり、作業そのものも複雑になってきています。その調色の精度が不充分だと、ぼかし塗装が必要な場合もありますので、調色の精度、調色時間そのものを見直す、というのもひとつの方法かと思います。ご存知のように調色時間は加算基礎数値に含まれますので、その範囲内での見直しというのが前提になりますが。あと、輸入車の場合は、国産車と比較して全般的に上質な仕上げにしている事例が多く見受けられ、国産車とは別の指数対応単価で料金を算出しているという事もよく耳にします(ボデーショップレポート2021年7月号、同2022年7月号参照)。指数対応単価ですので、一方的に“いくら”とは出来ませんが、輸入車用対応単価、これを見直す、あるいは新たに設定する、輸入車ディーラーに確認する等という方法もあるかと思います。

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