Q&A 鈑金・塗装のご相談
元請けへの請求について
2026/03/27
Q
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質問者
下請け海を逝くさん
鈑金の見積りを依頼され、100万の見積を提示したところ、着工の指示がありました。保険作業だったので、保険会社と協定をしたときに90万での合意となりました。
弊社は、元請けに対して一定の率でレスをして請求をしているのですが、これまでのケースでは90万からのレスにしていました。
公取法に照らしわせると、例え協定額が90万だったとしても、最初に合意した100万をベースとしてレスするべきでしょうか?
A
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- 回答者
プロトリオス
今回のご質問を(時系列)順に再確認いたします。
ご質問者様が100万円で(見積額を)提示 → 元請け様より100万円で着工指示 → 保険会社様と90万円にて協定
で相違ないものとし、さらにご質問者様が従業員を雇用されていることを前提に、独占禁止法または中小受託取引適正化法(取適法)※の観点から回答いたします。
まず、結論から申し上げますと、
「着工指示を受けた時点での契約(発注)が、確定した金額であったか、あるいは保険協定を前提とした概算金額であったか」によって対応が異なります。
1.初めから「100万円」で確定のうえ、受注されていた場合
もし、元請け様からの着工指示が「100万円で作業をお願いします」という確定的な発注であった場合、後から保険協定額が下がったことを理由に、元請け様が一方的に下請代金を減額することは、取適法の「代金の減額の禁止」や独占禁止法の「優越的地位の濫用」に抵触する恐れがあります。
この場合、ご質問者様は当初の合意どおり「100万円をベースとした請求」を行う正当な権利がございます。
ただし、当然のことながら(事前に)「書面等での合意」が必要です。
2.保険協定額を基準とした「概算での受注(条件付き発注)」であった場合
保険仕事においては、「まずは(概算の)100万円で着工しますが、最終的な金額は(保険会社との)協定後の金額で」という商慣習もございます。
もし、今回の(元請け様からの)着工指示がこの性質を持つものであれば、最終的な契約金額は「協定額の90万円」として確定したことになります。
したがって「90万円をベースとした請求が妥当」となります。
よって、
「確定発注であったなら100万ベースでの請求が正当(元請けの減額は違法)」ですが、実態として「協定額を最終代金とする条件付き発注」であったのなら「90万ベース」
となります。
もし、ご質問者様が「100万円ベースで請求したい(請求すべき)」とお考えの場合、まずは過去分を含め、元請け様からの発注書等の記録をご確認ください。
過去の実績において「協定額に合わせる」という対応(90万円からのレスにしていた)だったのであれば、急に100万円ベースでご請求されるのはトラブルを招く可能性もあるかもしれません。
最後となりますが、もし、書面がなく口頭のみでの発注であった場合、これは元請け様側の取適法違反となる可能性がございます。
今後のトラブルを防ぐためにも、着工前に「見積額と協定額に差が出た場合の精算方法」について、元請け様と書面やメール等で明確に合意しておくことを強くお勧めいたします。
※:
下請代金支払遅延等防止法(下請法)は、2026年1月に中小受託取引適正化法(取適法)へ改正されました。フリーランス新法と混同されがちですが、(従業員がいる・いないで)それとは異なりますことをご認識ください。