Q&A 

ボカシ範囲について

  • #塗装

2012/07/06

Q

質問者
塗装職人さん

この業界に15年います。最近塗装の見積もりは新品フロントフェンダーの塗装だとドアとボンネットのボカシを含みます。昔の保険会社のアジャスターは横方向のボカシは含むけど縦方向のボカシは入っていないと言っていました。実際当社では相当方向性の強い特殊な色以外はボンネットはボカシません。磨き、艶、ゴミのリスクから考えて今の指数では値段が合わないと思っています。何時から縦方向のボカシも含む様になったのですか?

A

回答者
プロトリオス

 指数の運用ルール上、ソリッドを除いた塗膜(メタリック、2コートパール、3コートパール)のボカシ作業は、加算基礎数値の塗膜加算分に含まれています。それには、フロントフェンダやドアなどの垂直パネルとボンネットなどの水平パネルと区別はありません。ボカシ作業が認められるパネル枚数はパネルの形状や種類に関係なく、基本的に隣接パネル2枚分とされています。
 さて、「横方向のボカシは含むが縦方向のボカシは入っていない」というご質問にあるアジャスター様の見解に関しましては、自研センターに確認をとりましたところ、補修塗装指数の運用開始以来そのような運用方法はなく、これまでに変更されたこともなかったとのことです。よって、件に関する弊社からの回答は差し控えさせていただくことをご容赦ください。

 ただ指数は、作業工程までをも強制するものではありません。おっしゃるとおり、リスクを無視してまでボカシのパネル枚数に固執する必要はありません。パネル端部を1/3塗装で完了できた場合など、反対側の隣接パネルはボカシ塗装が不要のケースも多々あるかと思います。

 指数は年間を通してみれば大きな過不足は出ないという考えの下で策定されている面もありますので、必ずしも個別の作業内容すべてに合致するものではないということもご理解ください。今回の場合、垂直パネルと水平パネルの仕上がりの差もふまえてのご質問と思いますが、それもあくまで平均値とお考えください。

 ボカシ塗装の範囲についての詳細は、投稿番号0376「ぼかしの定義」にてご紹介しております。併せてご確認いただければと思います。