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    【IAAE2024:国土交通省】特定整備制度とOBD検査の現状は? スキャンツール導入補助金はどうなる?

    特定整備制度、OBD検査、整備要員人材確保、車検時の確認方法見直しなど、自動車整備業界の課題と解決策を総括

    • #イベント

    2024/03/25

     2024年3月5~7日に東京ビッグサイトで開催された、自動車アフターマーケット総合展示会「国際オートアフターマーケットEXPO(IAAE)2024」。

     セミナー「整備業界を取り巻く状況とその対応」には、国土交通省物流・自動車局自動車整備課の森山真人氏が登壇。自動車整備業界の現状と課題、それらの解決に向けた国交省の政策について講演した。

    国交省の森山真人氏

     自動車整備工場のうち、地方運輸局長の「認証」を受けた「認証工場」は約9.2万軒あり、そのうち継続検査(車検)の際に運輸支局や自動車検査登録事務所等(車検場)への車両持ち込みが不要となる「指定」を地方運輸局長が行った「指定工場」(一般的には「民間車検場」または「民間車検工場」とも呼ばれる)は約3万軒。

     自動車整備業界全体の売上高は約5.7兆円、従業員数は約54.7万人で、そのうち整備要員は約40万人。なお認証工場の9割超を従業員数10人以下の零細企業が占めている。

     そうした中、新車乗用車の衝突被害軽減ブレーキ装着率は97%に達するなど、自動車(整備)技術の高度化が進む一方、2022年度末時点の有効求人倍率は全産業平均で1.19倍なのに対し自動車整備士は4.72倍と、人手不足は極めて深刻な状況だ。

     また、1整備要員あたり年間整備売上高は、ディーラーの2300万円に対しディーラー以外では1100万円と、両者の生産性に大きな差が開いている。他方、一般カーオーナーに目を向けると、乗用車の定期点検整備実施率は約6割と、自動車使用者の点検整備実施義務に関しても認知度と実施率向上に課題を残している。

     これら課題のうち、自動車整備技術の高度化に対しては、2020年4月より「自動車特定整備制度」を施行。同制度では、従来の「分解整備」に、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムに影響を及ぼす部位の脱着・整備・改造などを行う「電子制御装置整備」が追加されているが、その「電子制御装置整備」認証取得軒数は、2024年1月末時点で5万2917軒に留まっている。

     また、12ヵ月点検の際に「OBD(車載式故障診断装置)の診断の結果」を点検する「OBD点検」が、2021年10月より開始。経過措置を適用せず「電子制御装置整備」の認証を受けていない指定整備事業者は対象車両の保安基準適合証を交付できなくなった。そして2024年3月末の経過措置終了も間近に控えていることから、森山氏は早期の電子制御装置整備認証取得を呼びかけた。

    電子制御装置整備認証取得軒数の推移

     さらに2024年10月(輸入車は2025年10月)からは、車検時に検査用スキャンツールを用いて電子制御装置の検査を行う「OBD検査」が開始される。

     これに先立ち、2023年4月より「OBD検査ポータル」サイトが開設され、同年10月よりプレ運用が開始されていることを紹介。本運用開始に向けた作業内容の習熟および、制度運用上の問題点洗い出し・改善の観点からも、森山氏は整備事業者の積極的な参加・協力を呼びかけていた。

     なお、国交省では「OBD検査」導入決定以前より、約10年間にわたりスキャンツールの導入補助金を交付しているが、「令和6年度(2024年度)も6.8億円の予算で実施を予定している。また令和5年度(2023年度)は秋の実施となったが、次回はそれよりも前倒ししたい」(森山氏)と、早期の実施に意欲を示している。

    スキャンツール導入補助金の概要

     整備要員の人材確保に関しては、少子化や若者の車離れ、職業選択の多様化により自動車整備士を目指す若者が減少。自動車整備要員の平均年齢が2022年度時点で46.7歳に達している状況を受け、若年層へのPR強化や整備士の待遇改善に向けた取り組みを中心に推進している。

     令和5年度(2023年度)の新たな取り組みとしては、高校生が自動車整備を体験する機会を提供する「カー・メカニックワークチャレンジ2023」を2023年7~12月に実施したほか、同年10~11月に開催された「ジャパンモビリティショー2023」では小学生などの若年層やその保護者を対象とした整備士体験プログラム「チャレンジ!未来の自動車整備士」を実施。いずれも参加者へのアンケートで、自動車整備士の仕事に対する興味・関心や就職先としての検討について前向きな結果が多く得られたという。

     また、熟練した技能を有する外国人労働者として永住可能な在留資格「特定技能2号」の対象が、自動車整備分野を含む11分野に拡大。2023年6月9日に閣議決定された。

    自動車保有台数、自動車整備要員の人数・有効求人倍率・平均年齢、自動車整備学校入学者数の推移と、自動車整備士の過不足状況に関する整備工場へのアンケート結果

     生産性向上に関しては、タイヤ空気圧など7項目について、車検時の確認方法を見直し、2023年7月1日より施行したのが大きなトピック。

     点検整備実施率向上については、大型車の車輪脱落事故が増加傾向にあることにも言及。適切な点検整備を呼びかけて、講演を終了した。


    (文・写真=遠藤正賢/図=国土交通省)

    車検時の確認方法見直しの概要

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