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    ネクステージ浜脇浩次社長が辞任、創業者の広田靖治会長が社長を兼任

    「不正は確認されなかった」と発表後複数の不正が明るみに。一部報道には対抗措置をほのめかすも一転社長交代

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    2023/09/11

     中古車買取・販売大手のネクステージは2023年9月11日、浜脇浩次社長が同日付で辞任するとともに、後任に同社創業者の広田靖治会長が社長と兼任する形で就いたことを発表した。

     ネクステージは同年8月23日、「昨今の自動車業界における不正車検、保険金水増し請求の問題を受け、当社社内で調査を行った結果、不正な案件については確認されなかった。また、定期的に行われる社内外の監査で不備が発覚した際には、随時、運輸支局や保険会社に報告し、必要な対応を行っている」と発表していたが、その後過去の不正事案が複数明るみになり、各報道機関が同社に質問。その質問および回答内容を、同年9月1日と8日に公表している。

     そのうえで8日、「当社において過去に数件の不適切事案はあったが、それらは全て当社が把握した時点で、該当社員の処罰や再発防止策を取るとともに、関係各所への報告を実施している」と表明。

    「9月6日以降の報道等では、当社が公表済みの事案について、時期や件数を考慮せずにその一部を切り取り、または、それらの原因に当社の組織性、とりわけ当社の役職員に株式会社ビッグモーター様での勤務歴がある者がいることをとらえて、同社と同じ企業風土であるからと言及するものが見られる。しかし、当社で発生した不適切事案は、当社がその都度該当社員の処罰などの処置をとっていることから分かるとおり、組織的なものではない。ましてや当社の企業風土とは無関係」と反論した。

     さらに、「当社は過去に数件の不適切事案が生じたことを真摯に受け止め、反省しているが、あたかも組織ぐるみで不正事案を生じさせていたかのような印象操作を行う報道等に対しては、今後然るべき法的措置をとることを検討している」と、対抗措置を辞さない構えを見せていた。

     しかしながら、「近時の社会情勢に鑑みると、当社がこれまで行ってきた対策が十分なものであったとはいえず、より踏み込んだ対策が必要であると認識するに至っており、発生する要因や環境そのものを排除する必要があると痛感」。

    「営業会社としてインセンティブは存在するが、どれだけ仕組みを構築し、プロセスを重視した評価体制を用いたとしても、結果としてのインセンティブを優先してしまう考えを、全ての従業員から完全に取り去ることは実現できていなかった。これまでの至らぬ点を真摯に反省し、この度、全てのインセンティブの廃止とともに、新たな経営体制のもと、経営をしていくべきだと判断」した結果、浜脇前社長の辞任届を受理した、とその理由を説明している。

     なお、浜脇前社長はネクステージグループ各社の全役職から離れる予定としているが、後任の社長は創業者である広田靖治会長が兼任。今後の組織改革と再建、そして従業員と顧客への対応に、より一層厳しい視線が注がれることになる。

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