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第37回オートサービスショー2023、開会。6月17日まで東京ビッグサイトで
機工協・柳田昌宏会長「人海戦術だけでこの整備業界を取り巻く環境変化に対応していくことは不可能。各種の整備機器や設備によって解決しなければならない時代が来ている」
2023/06/15
自動車整備機器の展示会「第37回オートサービスショー2023」(主催:日本自動車機械工具協会)が本日2023年6月15日より開会。17日までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)東1・2・3ホールおよび屋外展示場で開催される。
開会式でのテープカットの様子
機工協の柳田昌宏会長は開会式の主催者挨拶で、「1948年から開催されたオートサービスショーは75年の歴史を刻んでいるが、新型コロナウイルスの影響もあり、今回は2019年以来4年ぶりの開催となる。出展企業の皆様にとっては、鋭意開発・改良を加えてきた最新の自動車整備機器やシステムなどを多くの来場者の方々にご覧いただける機会を待ち望み、準備を進めていただいたと思う」と、同展示会開催の意義を強調した。
また、「今回テーマは『ヒトとクルマの未来を守る整備機器』。最新の整備機器によって整備士の技術と業務量をサポートし、安全なクルマ社会の実現と、人々の生活を守ることにつなげたいとの想いを込めている」としたうえで、人口減少や少子高齢化、自動車保有台数の微増、BEV新車販売台数の急増、2024年3月の特定整備制度経過措置終了、同年10月からのOBD検査開始といった最新動向を説明。
「これから先、人海戦術だけでこの整備業界を取り巻く環境変化に対応していくことは不可能。各種の整備機器や設備によって解決しなければならない時代が来ている。今回のオートサービスショーでは各企業が様々な最新の技術を紹介・提案して、これからも近未来のクルマ社会の発展の一翼を担えるよう、私たちの業界が自動車の未来を開くという気概を持って技術革新に取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
機工協の柳田昌宏会長
来賓として招かれた国土交通省自動車局の野津真生次長は、「新型コロナウイルスもようやく収まりつつあるが、世界的な物価高と半導体不足で、自動車機械工具業界も厳しい経営環境にあると認識している」と関係者に謝意。
その後、特定整備制度における経過措置が今年度末に終了することについて触れ、電子制御装置整備認証の早期取得とともに「認証取得には整備用スキャンツールが必要となっているので、各メーカーの自動車に対応した汎用スキャンツールの開発が一層期待される」と呼びかけた。
OBD検査のプレ運用が2023年10月より開始されることも紹介し、「プレ運用は整備事業者がOBD検査を適切に実施するための貴重な準備作業。そのためにも、多くの検査用スキャンツールの導入も必要となるので、検査用スキャンツールの開発に引き続きご協力いただきたい」と付け加えた。
このように、スキャンツールの需要拡大が見込まれることから、「導入補助について今年度も予算を確保して実施することとしている」。
最後に、整備人材不足について、「自動車整備士の有効求人倍率は令和4年度には4.72倍にまで上昇し、依然として大変深刻な状況が続いている」と危機感を示しながら、インターンシップ事業などの新たな人材確保策を紹介。「優秀な自動車整備士を多数輩出できるよう努めていく」意向を示している。
国交省の野津真生次長
続いて経済産業省製造産業局自動車科の戸塚悠二課長補佐は、「自動車産業界では『CASE』をはじめとした大変革が進んでいる。このような中、日本の経済や雇用を支える屋台骨である自動車産業では、本テーマ『ヒトとクルマの未来を守る整備機器』に沿った取り組みを着実に推進していくのが自動車産業全体の発展につながる」と見解を示した。
そのうえで、「デジタル化とグリーン化、この二つのキーワードによる地殻変動とも言うべき大きな転換期を乗り越えていくために、BEVやPHEVなどの購入補助金による支援、サプライチェーンリスクへの対応に加えて資金繰りや雇用の確保、そして業態転換や事業再構築といった各方面への支援を行い、多様な選択肢を追求して技術開発やルール作りに取り組んできた」と、近年の取り組みを紹介。
「地域交通の社会課題や地域の課題を解決して、自動車産業がまさにこの核となって日本の産業全体を牽引していくためには、こうした大きな変化の潮流をしっかりと見極め、自動車、そしてモビリティとユーザーを力強くつなぐ業界の皆様の協力も非常に不可欠」と述べ、各政策への協力を呼びかけていた。
経済産業省の戸塚悠二課長補佐
その後、機工協の中谷宗平・オートサービスショー委員長による開会宣言とともにテープカットが行われ、「第37回オートサービスショー2023」が開会した。
(文・写真=遠藤正賢)
機工協の中谷宗平・オートサービスショー委員長
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