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「GRヘリテージパーツ」でランクル40用部品を復刻した理由とは?【IAAE2022詳報:トヨタ自動車】
A80スープラ用ヘッドライトは現代の技術でコーティングするなどさり気ないアップデートも
2022/04/08
2022年3月9~11日の日程で東京ビッグサイトにて開催された、自動車アフターマーケット総合展示会「国際オートアフターマーケットEXPO 2022」。
国内外から238社・団体が出展し小間数は489に達する中、トヨタ自動車は、2019年より展開を開始した、すでに廃版となった補給部品を復刻する「GRヘリテージパーツプロジェクト」を紹介した。
IAAE2022のトヨタ自動車ブース
「GRヘリテージパーツプロジェクト」は2019年5月の現行スープラ国内発表時にその発足を公表し、その後国内外のカーオーナーや専門ショップのニーズを把握したうえで、2020年春よりA70・80系スープラ用補修部品の復刻を開始。同年7月には2000GT、2021年11月にはAE86型カローラレビン/スプリンタートレノ用復刻部品の注文受付も開始した。
また2021年8月には、40系ランドクルーザー用補給部品の復刻を発表。2022年4月より3品目のオーダー受付を開始しており、これらを含めて31品目の復刻が予定されている。
「GRヘリテージパーツ」設定車種・部品一覧
A70・80スープラ、2000GT、AE86はいずれも趣味性の高いスポーツカーで、今や現役当時以上にミリオネアのコレクターズカーになっている2000GTを除けば、いずれも1980~90年代にデビューした、比較的新しいモデルといえる。
トヨタ2000GT用「GRヘリテージパーツ」
だがランクル40は1960~84年に生産された本格オフローダー。その後発売された60、70、80系といった1980~90年代のモデルではなく、なぜそれらよりも旧世代のモデルの補給部品を復刻することにしたのだろうか?
同社ガズーレーシングカンパニーGR車両開発部モノづくり推進室の纐纈正樹主管は、その理由を明快に語る。
「ランクルは生活のための車です。車検制度が整っていない国でも使われているため正確な台数は把握できておりませんが、40は今なお残存台数が多く、しかも現役で走っており、補給部品の供給が途絶えてしまえば生きていけないという不安の声を多くいただいておりました」
そのため復刻する部品は、走る・曲がる・止まるに関わる重要機能部品が中心となる。IAAE2022の会場には、フロントターンシグナルランプ、コンビネーションランプブラケット、ライセンスプレートランプ、オイルポンプカバー、オイルポンプドライブギヤ、オイルポンプドリブンギヤ、リヤブレーキチューブ、パーキングブレーキケーブル、トランスミッションインプットシャフト、ウィンドシールドウェザーストリップの実物が展示されていた。
40系トヨタ・ランドクルーザー用「GRヘリテージパーツ」
トヨタ自動車ブース内にはそのほかにも、2000GT用およびA70・80スープラ用「GRヘリテージパーツ」を展示。中でもA80スープラ用ヘッドライトは、「たまたま型が残っていたので比較的安価に復刻できたが、そうでなければヘッドライトの復刻部品は非常に高価になってしまう」(纐纈氏)という。
なお、80スープラのヘッドライトのカバーは、「当時の保安基準の違いから、日米向けがポリカーボネート製、欧州向けがガラス製になっていたが、仕向地に合わせて両方とも用意している。ただしポリカーボネート製のものは、現在の技術でコーティングを施しており、現役当時のものより経年劣化での黄ばみが発生しにくいようにしている」(纐纈氏)とのこと。積極的な活用を呼びかけていた。
(文・写真=遠藤正賢)
A70・80系トヨタ・スープラ用「GRヘリテージパーツ」
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